out of nowhere

 アメリカに留学した16歳の女の子が同時期にアメリカに留学した16歳の赤井秀一と出会うお話。
 評判が良ければ続編も考え中。。




≪パスポートは?≫

『持ってる持ってる。』

≪入学許可証の写しは?≫

『うーん…、うん、持ってるよ。』



 携帯で電話をかけつつそう話す黒凪はカバンを閉じて立ち上がり携帯を手に持つ。



『じゃあお母さん、学校行ってくるね。』

≪気を付けてね。ホームステイのジェシカさんにもちゃんと挨拶していくのよ。≫

『おっけい。じゃあ行ってきまーす』



 そう言って画面に向かって手を振り、通話を切る。
 携帯をポケットに入れて部屋を出ると、丁度ホームステイマザーであるジェシカが何処かと電話で話している所だった。
 私が住むホームステイの家にはジェシカ、彼女の旦那さんのジョー、そして息子のショーンが住んでいる。



「ええ、ええ。…わかったわ、丁度黒凪の部屋の隣が開いてるの。彼女に確認してから……、ええ。」

『(ん?私も関係してる事?)』

「ふぅ。…あ、黒凪。おはよう。」

『おはようジェシカ。どうしたの?』



 それがね、と話し始めたジェシカ。
 短い話、他のホームステイでトラブルに遭った日本人が新しいホームステイファミリーを探しているとの事だ。



「で、その日本人が男の子だっていうのよ。貴方と同い年。隣の部屋に男の子が住む事になるけど大丈夫?」

『うん、大丈夫。ショーンも17歳でほとんど私と同年代の男の子だしね。気にしないよ。』

「そう?じゃあとりあえずそう伝えておくわ。今日は入学式の前日の顔合わせでしょう?道はわかる?」

『大丈夫。じゃあね!』



 勿論今までの会話は全て英語だ。
 日本で英会話教室に行ったり外国人と話す機会を設けたりと随分と苦労した。
 それにしても外国人の年上と話すのは初めてだし、英語独特の敬語がない話方というのにもまだむずむずしている。

























「――…もしもし、赤井です。」



 イギリス訛りの英語が薄暗い部屋の中で響く。



≪もしもし、お世話になっております。先ほど受け入れのホームステイ先が見つかりました。アドレスを言いますのでメモの方大丈夫でしょうか?≫

「はい、大丈夫です。」



 言われたとおりにすらすらと紙にアドレスを書いていく。
 書き終えた頃に「早速今日から移動して頂いて大丈夫だそうです」と相手が言った。
 その言葉に「わかりました、ありがとうございます」と簡素に返して電話を切る。



「…はー…やっとここから出られるな…」



 けだるげに放たれた彼の言葉は、宙に消えて行った。




 out of nowhere..


 (ねえ、出会いの確立って知ってる?)
 (最も高い確率で24万分の1)
 (親友になる確率は24億分の1なんだよ)


 






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