百華繚乱
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「ふぅ…。やっと終わった」
山積みの書類を横目に、私は溜め息をついた。三時間かけて目を通し印鑑を押した書類達。
「今日中に終わらせろなんて…。ウチの生徒会長は人使い荒いんだから」
巫琴「だってお前、それが終わらなきゃ部活来れねぇんだろ?」
「入る時はノックして」
巫琴「はいよ」
パラパラッと慣れた手つきで書類をめくり、めくる回数が増える度に顔をしかめていく。
巫琴「お前……凄すぎ…」
「どこかの誰かさんが急かすから、私頑張ったのよ?」
巫琴「悪かったって(笑」
そんな爽やかな笑顔で謝られてもねぇ。
巫琴は悪びれたようには見えない笑顔で紅の髪をかきあげた。
巫琴「てかさ、さっき琉空が探してたぜ?理事長室って教えたからすぐ来ると思うけど…」
琉空が…?何の用かしら。
考えようとした時、珍しくノックもせず琉空が入ってきた。
琉空「紫妃!!今聖夜から連絡がきて…。リョーマが……!!」
「リョーマ!?琉空、車は回してあるわね?」
琉空「うん、今下に…」
「巫琴は皆に集合をかけて!!」
巫琴「了解!!」
聖夜の系列の病院までは早くて15分…。お願いリョーマ、無事でいて!!
車の中で私は、ただ祈る事しか出来なかった。隣に座る琉空が事情を説明してくれている。
琉空「聖夜の話によれば、リョーマは高い所から落ちたらしい。幸い、下に木があったから即死は免れたみたいだけど……」
「生死の境をさ迷ってるのね…?」
琉空は辛そうに頷く。その表情にはただならぬ緊張が見てとれる。
今の時間、リョーマは学校のはず…。屋上から事故で落ちたりするかしら?ありえない。あのリョーマよ…?
嫌な予感がする。
琉空「紫妃、行こう」
「…………えぇ」
リョーマ………!!