高校編D

□168話
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GW合宿が終わり、早くもひと月が経とうとしている



ザーーーッ!!!



冴木「あーあ…今日も雨か…」



季節が春から夏へと移ろうとしており、ちょうど梅雨の時期に入っていた



亜希「今日も室内か〜、今週はこれで三日目だね」


冴木「はぁ…外で打ちたい…」


「勇吾君ってホントに野球が好きだよね〜」


冴木「もちろん!観るのもするのも大好きだ!」


亜希「昔からこんな感じよ、ただの野球バカなの」


冴木「ま、まあそうだな」テレテレ


亜希「何で嬉しそうなの…言っておくけど褒めては無いわよ」


冴木「え!?そうなの!?」


亜希「当たり前でしょ」


「ふふっ、相変わらずの夫婦漫才だね」


冴木「夫じゃない!!」


亜希「そうよ、勇吾は夫というより嫁の方だよ」


冴木「そこ!?」


亜希「だってスーパー主婦になれる素質は十分あるし…」


冴木「知らねぇよ!てかそれを言うなら『主夫』だろ!」


亜希「あ、そうだね」


冴木「まったく、気を付けろよな!」


「(それで良いんだ…)」


冴木「…はぁ、雨止まねぇかな…大会まであと二か月もないのに…」


「そういえばそんな時期だっけ、今年も出場するの??」


亜希「今年はクリーンナップ確実だよ!秋大会では四番打ってたしさ!」


「へぇ〜、やっぱり勇吾君って凄いんだ」


冴木「そんなことねぇよ!コウや宮本だって去年から出てるしさ!」


「巽君も幼馴染だっけ?あそこまで『完璧』な人って中々いないよね」



クラスメイトが何気なく言った『完璧』、それを聞いた途端、



冴木「…そうだな」



冴木の表情が変わり、少し顔をしかめた



亜希「…勇吾?」


冴木「…悪い!ちょっとトイレに行ってくる!」スタスタ




「…私、何か変なこと言った?」


亜希「あー、気にしなくて良いよ。ちょっと昔のこと思い出しただけだから」


「昔…??」


亜希「(あの時もちょうど雨が降ってたっけ…)」
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