高校編D

□165話
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春休みが終わり、新学期が始まった頃、



宮本は自主練で投げ込みをしていた



宮本「っ!!」



ギュン!!


バシッ!!



中村「ナイスボール!相変わらず凄いスライダーだな!」シュッ


宮本「ありがと」パシッ


中村「…でもまだ本気で投げてないんだろ?」ジトッ


宮本「そ、そんなことないって!結構本気で投げてるよ!」


中村「嘘付くな!!俺に遠慮して手加減しやがって!!」


宮本「でも怪我すると危ないし…」


中村「もう捕れるっつーの!次は本気で投げろよ!」スッ


宮本「(最近はずっと一緒に練習してるし、そろそろ捕れるかな…あ、そういえばオフシーズンになってからスライダーを本気で投げたことなかったなぁ…本気で投げるとどれくらい曲がるんだろ…)」


中村「おーい!早く投げろ!!」


宮本「(ちょっと本気で投げてみよ…)…じゃあいくよ〜!」





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宮本「その時にできたのがこの球です」


今宮「だけど、今までも本気で投げていたのにこんな球は見たことないが…」


宮本「そこは少し握り方や投げ方を変えました」


今宮「なるほど…長年手を抜いて投げていた産物ってわけか…」


宮本「もっとマシな言い方をしてくださいよ…」


今宮「(しかしそのおかげでスライダーに関しての指先の感覚、縫い目の使い方は熟知しているんだろうな。ただこの球は今までのスライダーよりも更に上…本当の魔球を生み出したがった…)」


宮本「ただ問題がありまして…投げられるようになってからずっとコントロールできるよう頑張っていますが、どうも上手くいかなくて…それに投げ過ぎると指先にかなりの負担が…」



そう言って右手の指先を見せてもらったが、



人差し指と中指はかなりボロボロになっていた
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