高校編D
□166話
1ページ/5ページ
合宿が始まり、四日目に突入していた
午前中は合宿のメインである走り込みをこなし、
午後からはチームで紅白戦を行っていた
宮本「っ!!」
ギュンッ!!!
日向「うおっ!?」
「ストライク、バッターアウト!!」
今宮「(日向を三振…コースは甘め、しかし二球とも掠りもしなかったか…『カミキリ』か…こりゃあ本当の魔球になりそうだな)」
山中「(今の、えげつない球でしたね…)」
日向「宮本!!今のスライダー凄かったぞ!」
宮本「ありがとうございます…」ペコッ
冴木「宮本〜!今度俺にも投げてくれよ!いや、練習終わった後でも…」
宮本「ごめん…この球制限があってあんまり投げられないんだ」
冴木「えぇ〜!ちょっとだけで良いからさ!お願い!!」
宮本「うーん…」
巽「そこまでにしとけ、あまり宮本に迷惑をかけるな」
冴木「でもさ…」
巽「でもじゃない、ほら、次はお前からの打席だろ」
冴木「はーい…」スタスタ
巽「まったく…アイツ、諦め悪いから気を付けろよ」
宮本「う、うん…」
巽「(しかし、俺も勝負してみたいな……だけど…)」
ふと自身の右手に視線を移す
そこには二年近く前に手術した痕が残っていた
巽「(…今の俺じゃ勝ち目はないか…)」
宮本「…巽?」
巽「……何でもない、ちょっと給水してくる」スタスタ
宮本「(何でもないねぇ…)」