高校編D

□178話
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巽が宮本のところに行ってから数時間後、


放課後になり、野球部では大会に向けて練習を行っているのだが…



巽「……」イライラ



巽孝介は明らかに機嫌の悪そうだ


ここ最近の柑奈達の対応があまりにも露骨のためである


坂本も桜もそれはわかっているのだが、


柑奈のことを考えるとまだ近づけるわけにはいかない


御影「(巽君には悪いけど…)」


坂本「(かんなっちが辛い思いをしちゃうかもだからね〜)」



だが、そういうわけにもいかなくなっていた


バチッ


大崎「(あ、やばっ…!)」シュッ


ノックでの打球処理を少し誤り、送球が遅くなってしまったようだ


大崎「(くそっ〜、送球が遅くなった…)…巽さん、すみm…」


謝ろうと巽を見た時、そこには明らかに不機嫌な巽がいた


いつであれば口は悪いものの、きちんとしたアドバイスをくれるため、


後輩、先輩も含め、助言を求めていたのだが…


巽「……次はミスるなよ」


大崎「は、はいっす!!」ビクッ


露骨に不機嫌なオーラが出しているため、


最近では冴木達くらいしか近づかなくなってきていた


山中「(最近、巽君に何かあったのでしょうか…?)」


立石「(調子自体は落としてはいないんだが…周りへの影響がな…)」


このままではあまり良くない方向に進んでしまう


そう感じたのか、すぐさまフォローをかけるのはやはりこの二人だ


冴木「コウ〜!何イライラしてんだよ〜!!」ガシッ


巽「別に…」


亜希「ほらタオル」スッ


巽「…お前からは珍しいな」


亜希「あら、それなら『ありがとう』って言ってくれても良いわよ」ニヤニヤ


巽「…誰が言うか」


亜希「素直じゃないわね〜、ほら勇吾もどうぞ」


冴木「サンキュー!」ニカッ


亜希「…アンタもこれくらい素直になったら??」


巽「うるせぇ」
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