高校編D
□179話
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あれから学校を後にし、二人で目的地まで歩いているのだが、
遠藤「……」
巽「……」
お互いに話す事もなく、無言の時間が流れていたようだ
巽「(…相変わらずだんまりか、何考えているんだ?)」
柑奈の普段からの性格からすれば、黙っていること自体に違和感がある
巽「(こういう時は大体何かあるんだよな…怒っている…ではないか、それならもっとわかりやすいし…)」
そもそも、今まで避けられていた理由は…?
色々考えてみるが、やはり今まで通り見当がつかないようだ
巽「(…全部言ってくれるようだし、がっつくことはねぇな。とりあえず、話を聞く…そこから考えても遅くねぇか…)」
その時、前に歩いていた柑奈が足を止めたようだ
巽「ここって…」
柑奈が巽を連れてきたかったのは…
遠藤「…うん、いつもの“公園”だよ」
今まで何度も、何かがあれば来ていた冴木や亜希の家の近くにある公園だ
巽「…お前、ここ好きだな」
遠藤「ふふっ…どうしてだろうなぁ、何か落ち着くものでもあるのかな?」
巽「意外と合っているかも知れないぞ、勇吾も如月も何かあればここに来てたし」
遠藤「やっぱり、何か不思議の力があるのかもね」
和やかな雰囲気のまま、柑奈は近くのベンチへ腰かけた
少し間が生まれたものの、話しかけたのは柑奈だ
遠藤「えーと…話したい事があるんだけど、何から話そうかなぁ…」
巽「……別に、好きなように話してくれて構わない」
遠藤「…珍しく優しいね。いつもなら『端的に、わかりやすく話せ』とか言うのに」
巽「あのな…何度も言うが、真面目に話をしようとする奴を無下にはしないし…それに…」
遠藤「ご、ごめんって!こんな時に説教は勘弁だよ〜!」
巽「ちっ……で、どうしたんだ?こんなところに呼び出して何もないは無いだろ?」
遠藤「…うん、まずはそうだなぁ…」