嗚呼、素晴らしきワン生

□寂しいなんて、そんなわけ。
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「黄瀬は今日風邪で休みだ。」




練習開始前に赤司くんが言い放ったことだった。




今日は土曜日で本来なら朝から夕方までみっちり練習があるのだが学校側の都合で14時までしかできないそうだ。




「だから、舞奈。終わったら黄瀬の様子を見てきてくれ。」



「ええ!?なんで私が‥‥。」



「お前黄瀬の一応彼女だろ。行ってやれよ。」




「あ、青峰そこで一応つけちゃうんだ。」




「舞奈ちゃん行ってあげなよ。きーちゃん喜ぶよ?」




「その先の展開が読めるから嫌です。」




「なーんて本当は心配してるくせにー。」




「そ、そんなわけないっ!アイツがいない方が静かでいいわ!」






































「こ、これは皆から言われたからだから。断じて心配したとかじゃないから。」





舞奈は黄瀬の家の前に来ていた。




彼女の両手にはちゃっかりスポーツドリンクや冷えピタなどが入った袋が握られていた。






恐る恐るインターフォンを鳴らす。








「どちら様ですか‥‥‥‥って舞奈っち?」






出てきたのは黄瀬だった。









「ちょ、涼太!ちゃんと寝てなさいよ!!」




「え!?って言われても家に俺一人だし俺が出なきゃ‥‥‥‥。」





「とにかく横になりなさい!」







舞奈は黄瀬をグイグイと寝室に押し込んだ。






「言っとくけどバスケ部の皆が見てこいって言ったから来ただけだからね。」







いつもだったらすっごい勢いで抱きついてくるのだが今日はそんな元気もないのか





「ん‥‥。ありがとうっス。」







と、辛そうに返すだけだった。







コイツがこんなんじゃこっちも調子狂うっての。







「ちょっと台所借りるからね。」



「はいっス。」





全く、バカは風邪をひかないんじゃないのか。






数十分後、舞奈はお粥を持ってきた。





「ほら、涼太。これ食べて。どうせお昼食べてないでしょ?薬飲むために食べて。」





「ありがとうっス。舞奈っちの手料理が食べれるなんて‥‥‥‥。」






熱のせいかほんのり赤くなっている頬で弱々しくふにゃりと笑ったので不覚にも可愛いと思ってしまった。






毎日こんなんだったらいいのにと思いつつまぁでも今日は部活に涼太がいなくてちょっと寂しいなんて思ったのも事実。認めたくないけど。





「はい。薬ちゃんと飲んでよね。」





すると不意に涼太が抱きついてきた。





「ちょ、何すんの‥‥‥‥。」





「舞奈っち、わざわざありがとうっス。大好き。」





「〜〜〜〜ッ!?////」







無邪気な笑顔に



「私もだよばーか。」





たまには素直に言ってやろうと思った。





















おとなしいとなんだか寂しいです











(舞奈っちーー!!昨日はありがとうっスー!!)


(こら!いきなり飛びつくな!!)



(舞奈っち不足だから充電っス!!)




(もうお前ずっと風邪ひいてろよ。)






‥‥‥‥気のせいでした!

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