夜のサスペンス


□SPECIAL
3ページ/6ページ

2007 七夕SPECIAL

・MILKY WAY・







 ――七月七日

 今夜は年に一度、彦星と織姫が出会う大切な日……

 そして、今夜も天の川を挟んで二人はお互いに見つめあっていた。


【織姫】
「彦星様……
織姫は長き間、貴方と会えなくて淋しゅうございました……」

【彦星】
「‥‥‥‥‥」

【織姫】
「彦星様? どうなされたのですか?」

【彦星】
「‥‥‥‥‥」

【織姫】
「彦星様、何かおっしゃって下さいまし!」

【彦星】
「‥‥‥‥‥」

【織姫】
「本当にどうなされたのですか?
織姫の事がお嫌いになられたのですか?」

【彦星】
「……実は」

【織姫】
「実は? どうされたのですか?
躊躇わずにおっしゃって下さいませ!」

【彦星】
「……わかった!
それでは言おう!」

【織姫】
「はい!」

【彦星】
「一年はあまりにも長かった……
だから、君への愛はもう冷めてしまったのだよ」

【織姫】
「えっ!? そ、そんな……」

【彦星】
「だから、君とは今夜限りでお別れするよ」

【織姫】
「そ、そんな! 酷いわ!
どうして? どうしてそんな事言うの?」

【彦星】
「しかたないんだよ……」

【織姫】
「どうして仕方ないのよ!
……もしかして浮気?」

【彦星】
「……ぅ!?」

【織姫】
「図星ね……
さては、最近何かと貴方にちょっかい出しているさそり座の女が相手なのね!」

【彦星】
「……ぅぐっ!」

【織姫】
「わかったわ、貴方がそうしたいのなら勝手にすればいいわ!」

【彦星】
「‥‥‥‥‥」

【織姫】
「織姫にだって言い寄って来る殿方は沢山居るんだから!」

【彦星】
「‥‥‥‥‥」

【織姫】
「それじゃあ貴方とはこれでお別れね……」





 こうして二人はお互いにそれぞれ別の路を歩む事になったのだった。

 その後、二人が寄りを戻したかは誰も知らない……







MILKY WAY/END
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ