04/28の日記
10:46
雑記+\(^Q^)/先読み
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◆追記◆

「…………絶対に一人になるなよ」
「え? 別に一人でも……アッ」

 謎の忠告に首を傾げると同時に脳裏をよぎる毛。そういえばロックオンされていた。
 考えるより先に口からはみ出た迂闊な発言を手で止めるがもう遅い。ナルのジト目が雄弁に訴える。たぶん馬鹿とかアホとかの罵倒。

「…………」
「いや、大丈夫だって」
「…………」
「……ハイ、ワカリマシタ」
「よし」

 無言の圧に負けて両手を上げた私に軽く頷いて、今度こそ所長はお出かけあそばした。あいつの非言語的コミュニケーションの選択肢、「無言の圧力をかける」しかないんじゃないだろうか。



「あなた、危機感ってものをご存じありませんの?」
「馬っ鹿じゃないの!?」
「お前ほんと……ほんっと……!」
「渋谷さんの言うとおり、一人になるのは危ないです……」

 言われたい放題である。
 メールでみんなにヒトガタ探索に加わることと、一人禁止令が出たこと、合流する旨とどこに行けばいいかを訊いたらぼーさんから即電話がかかってきて、「一旦ベースに戻るから待ってろ」と言うから待っていたらコレ。

「一人になってないし……」
「一人でこっちに向かって来ようとしてただろーが! なんでそう無頓着かなお前は……」
「お言葉ですけどぉー、ちゃんともしものときのことは考えてましたしー」
「ほ〜〜……言ってみ?」
「毛が生えたらダッシュで逃げる」

 私以外の四人が顔を見合わせて、それぞれ呆れ返りましたのポーズを取った。非言語的コミュニケーションのお手本ですね。仲良しどもめ。

「いやだってあいつゆっくり出てくるもん。廊下だったら走ってちぎれる」
「振り向いて霊がいたらどうすんだよ」
「天井から生えながら平行移動してるところ見たかったなって思う」
「アンタねえ! そもそも金縛りにでもあって走れなかったら……」
「威嚇する。ひるんだら負け」
「「野生か!!」」

 正直に言えばそんときゃそんとき。どうにかなるかどうにかならないかのどっちかだ。
 勢いよくツッコミを入れて気疲れした様子の二十代二人の背中を労いを込めてポンと叩く。

「まあホラ、遊んでないでさっさとヒトガタ探しに行こ」
「誰のせいだと……」


2024/04/28 10:46
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