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□スチータスII
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静かに時が流れて、薄く開けられた窓から清々しい風が部屋の中に流れ込む。
私、本当に生きてるんだな…。
この部屋で目が覚めてから既に一週間が経った。
信じられない事にリヴァイが毎日欠かさずに顔を出しに来てくれ、更には私の好物の果物を持ってくるのだ。
言葉こそぶっきらぼうで、
『また寝てるのか』とか
『体が鈍りそうだな』なんて呟いていくこともあるけれどその瞳は見たことの無いほど優しい色を映す。
彼の新しい一面ばかりが見える日々だ。
また以前の様に接してくれる彼だけど、私は不安を拭い切れない。
私の存在は、壁外へ出て人類の為に戦う調査兵団の兵士長の判断を鈍らせているのではないか?
忙しい中時間を割いてくれるのはとても嬉しいけれど、彼の仕事の邪魔だけにはなりたくない。
『忙しいなら来なくてもいい』とそれとなく伝えてみたら、ものすごく不機嫌になって死ぬほど苦しいキスをされた。
昼休憩が終わり部屋を出て行く彼を見送るが、思い通りに動かない体に苛立ちを覚える。
歩く度に背中に激痛が走り、時間をかけて移動することしか出来ない。
怪我をして初めて体が資本だということを思い知らされる。