MORE(ロー長編)【完結】

□no.4
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「カブトムシ〜♪見てみてー こんな魚釣れたよ\(^^)/」


「ベポすごい( ☆∀☆)一緒に焼いて食べよう♪」


白くまの名はベポ。


ベポは北の海出身のあの“死の外科医”ハートの海賊団船長、トラファルガーローのクルーだ。


最初、海賊と聞きこの足の刺青という名の傷をつけたあの男を思い出した。


だけど、ベポは違う。


海賊なのに打たれ弱くて、少年みたいにキレイな純粋な心を持っている。


そして何よりわたしを仲間として大事にしてくれた。

父レイリーから海賊の話を小さい頃から聞いていて、その時は海賊はみんないい人だと思っていた。


しかしこの足の傷をつけたあの男を知り、わたしは海賊を見る目が変わったのだが、ベポと一緒に過ごせば過ごす程、ベポは父レイリーが言っていた“海賊”というものを実感させてくれた。


ベポはキャプテンを心から尊敬していて、ハートの海賊団のクルーであることが何よりの誇りだと。


そしてベポは毎日毎日、キャプテンであるローの話をしてくれた。


「キャプテンはね、すごく強いんだ!」


「キャプテンはおれのお腹で昼寝するんだよ\(^^)/」


「キャプテンは大きな刀を持っていて、おれはキャプテンの刀を持つ係なんだ!」


「キャプテンはね、人間の女からモテるんだよ♪おれもメスのくまからはモテモテなんだから\(^^)/」


「キャプテンはね、オペオペの実の能力者なんだよ♪」


ベポは本当にキャプテンのことがダイスキなんだろうな、そう感じた。


「ねぇ、カブトムシはなんで旅をしているの(・_・?)」


「わたしは父親を探してるの」


「見つかりそう(´・ω・`)?」


「自信はないよ…父はわたしに“待ってろ”って約束して海に出た。なのにわたしは約束を守らずに海に出たから…」


「カブトムシ、大丈夫♪おれも一緒に探してあげるから\(^^)/どんな人なの?」


「ベポ…(;_;)」


すごく嬉しかった。


無人島でも父レイリーが海を出てから1人で、わたしが海に出てからもずっと1人だった。


今までわたしを支えてくれたのは父レイリーだけだった。


初めて出来た仲間。


ベポはわたしにもうおれの仲間だと言ってくれた。


「どんな人かな、強くて優しい人(*^^*)」


「カブトムシの父ちゃんも強いのか?♪」


「うん、すっごく\(^^)/」


そんな楽しい話を毎日ベポとした。


そして釣りが得意なベポは毎日ごはんの魚をたくさん釣ってくれた。


夜、寝るときは1つしかない布団で一緒に寝た。


ベポのモフモフの毛が気持ちよくてすぐに眠れる。


昼寝はいつもベポのお腹の上で寝た。


お風呂のときだけ、わたしは絶対に絶対にこないでとベポに強く約束した。


ベポは女の子のお風呂は覗かない!と、あまり深い意味はわかっていなかったみたいだけどせっかく仲間だと言ってくれたベポにこの刺青を見られたくなかった。


ベポと出会って1週間、わたしたちは島に上陸した。

こんなにあっという間に感じたのは初めてだった。


ベポはキャプテンたちに会える!とウキウキして上陸したが、わたしはそんなベポを見るとどこか寂しい気持ちでいっぱいだった。

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