MORE(ロー長編)【完結】
□no.5
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ハートの海賊船は潜水艦なので、上陸の際は海軍にバレないようにローの能力で船を海底に沈めているらしい。
なので、この島中をあちこち探さないといけないとベポから告げられる。
そう言われ1日中探したが、ベポの言うキャプテンたちは見つからなかった。
2日目、3日目とも探したがまだ見つからなかった。
ベポは不安でいっぱいになっていた。
そして今日もベポと島を探しに出掛けようとしたときだった。
わたしの小さな船の周りに海軍が取り囲んでいた。
「ハートの海賊団の仲間が1人、この島に上陸したと聞いた。無駄な抵抗はせずに出てきなさい」
わたしはベポに出てこないで、と船の中に押し込む。
「何を言われているかわからないんですが…」
わたしは誤魔化す。
「とぼけるな!お前がこの島で白熊と一緒にいることは何日間も連絡がきている!ハートの海賊団に女がいるとは聞いてないが、お前もハートの海賊団と繋がっているのか?ローの仕組みか?ならばお前も共犯だな」
「だから何を?わたしはただの旅人です。勘違いしないでください」
しかし海軍はわたしを船から引き下ろし中にいたベポを捕らえる。
「ベポー、逃げて!」
「カブトムシはおれの仲間だ!カブトムシを置いておれは逃げない!」
そうベポが言ってくれたときだった。
海軍がわたしを粗末に扱ったから、海軍の持っていた刀がわたしの足に当たり、レギンスが破れて隠していたあの刺青が右足全部見えてしまった。
刺青の上から切れて出てくる血が流れる。
「大佐!この刺青…」
ベポを捕らえていた大佐がベポを部下に任してわたしに駆け寄る。
そしてニヤリと笑う。
「お前、海賊だったか」
「…違う……」
「これが何よりの証拠だ」
「……違う……あんな男の海賊なんかじゃ…ない……」
その間、ベポは部下を蹴散らして戦っていた。
「錠をつけて連行だ!この刺青が何よりの証拠だ」
部下が錠をわたしにかけようとした時だった。
「ROOM」
サークルができる。
「シャンブルズ」
わたしは今までベポがいた場所にいて、ベポがわたしのいた場所にいて大佐を蹴散らしていた。
わたしの後ろでは細身で大きな刀を持ち、ふかふかな帽子をかぶった人が立っていた。
“キャプテンは大きな刀を持っていて、おれはキャプテンの刀を持つ係なんだ♪”
ベポの言葉を思い出す。
この人があのトラファルガーロー…
「トラファルガー…ロー、お前をこの島から出さない」
ベポと戦いながら大佐はそう告げる。
「そういうことはベポを倒してから言え」
ベポは攻撃を止めない、俊敏な動きで大佐の攻撃を封じる。
そして大佐がふらっとよろけた瞬間をベポは見逃さない。
顎から強い一撃を入れると大佐はその場に倒れ込んだ。
わたしの周りにいた部下たちはキャスケット帽を被った人と、PENGINと書かれた帽子を被った人にやられていた。
わたしはベポのもとに駆け寄る。
足が切れていてうまく走れない。
「ベポー!!!!!」
わたしはベポに抱きつく。
「大丈夫?」
「おれは大丈夫!…え!カブトムシ、足どうしたの!?」
わたしは はっと思い手で刺青を隠す。
「カブトムシ、どうしたの?痛いの(´・ω・`)?」
ベポがそう言う。
しかしわたしはなんて言ったらいいのかわからなかった。
座り込むわたしの後ろで
「ベポ、傷口が傷むんだろ 船に連れていってやれ 治療する」
そう聞こえた。
「キャプテーン♪\(^^)/」
「おい、ベポ!ずっと探したんだぜ どこふらついていたんだ!」
「シャチー♪\(^^)/」
「船長、心配でずっと寝てねんだからな」
「ペンギーン♪\(^^)/」
ベポはわたしを抱き抱えてとても嬉しそうに再会していた。
わたしはこの刺青を見られたことによるツラさで何も考えられなかった。
ただベポの腕の中は安心できた。