MORE(ロー長編)【完結】
□no.7
1ページ/1ページ
ローは船長室に戻るとソファーに寝転がった。
父親探しね………
ローはベポの話とわたしの話を思い出す。
ローがわたしの足の傷と刺青の度合いを見ていたとき、ローはふと何かが目に入る。
左足のちょうど膝下に直径五ミリほどの小さな彫り物を目にした。
ローは目をこらして彫られている極小の英語の筆記体を読む。
“シルバーズ”
ローはその名にあの名が頭に浮かぶ。
“冥王シルバーズ・レイリー”
わたしはそこにそんなものが彫られているなんて気づかなかった。
きっとあの男だって気づいていない。
「これ、いつつけられたんだ」
わたしはローの指差す場所を見るがただの黒の点にしか見えない。
「え?なにそれ?」
「覚えがないようだな」
ローは“シルバーズ”の意味を考える。
難しい顔をするローにわたしは尋ねた。
「それがどうかしたの(´・ω・`)?」
「シルバーズ…」
ローの発したその言葉にわたしは顔色を変える。
「その言葉には敏感なんだな」
「……ぃゃ……それは…」
「ま、世の中シルバーズなんて意味たくさんある 俺にはこの意味わかんねぇ」
ローは嘘をついた。
本当はシルバーズと言えばシルバーズ・レイリーしか思い当たらない。
わたしの答えを導き出す。
「お前、どこからきた?」
「え?あの島に名前なんてあったのかな 無人島だったから」
無人島…
ローの中にまたキーワードが増える。
「なぜ海に出た?」
「探している人がいる…まだ全然探せてないけど」
それだけ聞くとローはわたしに麻酔をした。
探しているのは父親
足に小さなシルバーズの文字
無人島にいた意味
俺の考えが当たっていたら、こいつは命を狙われる立場だ。
シルバーズ・レイリー
その娘か…………
ならただ者じゃない
ローはわたしの乗船を認めた。
わたしはローがわたしの正体に気づいているなんて思ってもみなかった。
そしてわたしは長い長い麻酔の眠りから目を覚ます。