MORE(ロー長編)【完結】

□no.18
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わたしはいつものようにベポのそばで眠りについていた。


するとギーっと部屋の扉が開く。


わたしはうっすらとした記憶でシャチかペンギンさんかローかななんてこの船の誰かがきたのかなって思った。


すると足音はわたしの目の前で止まる。


わたしは目を開けるとそこには知らない男が立っていた。


その男は手を伸ばしてきてわたしの口を塞ぎ、わたしを抱えた。


“助けて” そう叫びたかった。


ベポ…気付いてよ…


しかしわたしの思いは通じず、その男は自分の船に乗り込んだ。


その船には数人の男たちが待っていた。


そしてそこにいたのはあの男だった。


「よう、久しぶりだな」


死んだはずじゃなかったの…


その男はわたしの足を見る。


「綺麗に消してくれたもんだな まぁいい 俺も今や海軍の裏の人間だからな」


あの男だった


わたしの心も身体も傷つけたあの海賊だった。


「あの時本気で死んだって思ったぜ だがまぁ、あの後やってきた海軍にお前の話をしたら裏側の人間になって命拾いしたわけだ! 俺だよ、お前がレイリーの娘だってバラしたのわよ!」


そしてその男はわたしの服をナイフで切った。


わたしの身体はあらわになる。


「お前の足にあったシルバーズの彫りもんとお前の生い立ちで確信した。まぁ、そんなことは今さらどうでもいい。久々にヤろうぜ」

あの恐怖がよみがえる。


こいつ、知ってたんだ


わたしがレイリーの娘だって…


こいつはわたしを売って生き延びた……


涙がこぼれ落ちた。


その時だった。


「ROOM」


サークルがわたしたちを取り囲む。


「シャンブルズ」


気付くとわたしはローの腕の中にいてわたしのいた場所には砲弾があり、船は爆発した。


「トラファルガー…きさま…」


「誰の船だと思ってんだ お前らが入り込んだ時点で俺は気付いていた」


「ならなぜ…すぐに…」


「こいつが船長命令を無視した ただそれだけだ」


「ロー………」


わたしは涙が止まらない。

「俺に従えねぇ奴はこの船にはいらねぇ」


びくっと身体が強張った。

わたし…ローに捨てられるの…?


「くそ野郎…何が言いてぇんだ…トラファルガー……」


「だが俺はこいつを助けた その意味がどういう意味だかだ」


「トラファルガー・ロー……大概にしろや……そいつを渡せ………」


「人のもんに手ぇ出すなってことだ」


ローは大きな刀を抜いた。

「普通なら俺に従えねぇ奴は俺が切り捨てる だがこいつは“俺が”切り捨てれなかった 手ぇ出すな お前なんかは特にな」


ねぇ…ロー………


そしてローは刀を振りかざし男たちをバラした。


そして奴らはバラバラに砕け散った船の木材にくっつけられて真っ暗な海に消えていった。


ローは何も言わずわたしを抱き抱え、船長室へ連れていった。


そしてベッドにあった布団をパサッと肩からかけてくれたので、わたしはあらわになった身体をそれで覆った。


わたしはベッドに座ったまま、ローを見つめた。


ローは何もなかったようにソファーに寝転び医学書を読んでいる。


わたしはローを見つめ続けた………。

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