MORE(ロー長編)【完結】
□no.23
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仕入れが終わり船で仕入れたものを片付けていたら、他の買い出しに出ていたみんなも続々帰ってきた。
わたしはローに言われて食堂で食糧の整理をコックさんと一緒にしていた。
「カブトムシ〜♪見てみて〜\(^^)/」
そう言ってベポが買い出しから帰ってきてわたしを見つけれると走ってきた。
そしてあるものを渡してきた。
「ねぇ、カブトムシ!!かけてみてよ\(^^)/♪」
そう言われてわたしはベポから渡されたメガネをかけた。
「似合う似合う♪♪♪」
そう言ってベポは大ハシャギしていた。
すると後からやってきたシャチが、
「いいじゃん!それでちょっとはバレにくくしろよ!」
と笑った。
「シャチにね、カブトムシにお土産買ってあげたいって言ったらコレにしろって♪でもね、色や形はおれが選んだんだよ\(^^)/」
大々的にお尋ねものになってしまったからシャチやベポたちが気を利かしてくれたみたいだ。
わたしはそう思うとこのメガネがすごく嬉しくてすごく大切に思った。
「ベポ、シャチ♪ありがとう\(^^)/大切にする!!」
ガチャ
「みんな揃ったか?」
ローも食堂にやってきた。
「お前、なにそれ?」
「シャチとベポがくれたの\(^^)/バレにくくするために♪」
「そうか」
「えー!!キャプテン、他になんかないのー(;_;)おれが選んだのにー!!」
「なにをどう言えばいいんだ」
「カブトムシ、すごく似合ってるでしょ? キャプテン♪」
「船長!俺ですよ メガネを提案したの!」
「それより、片付けが済み次第 それぞれ自由時間だ。厄介なことにだけは巻き込まれるな。好きにしろ」
「久々だー!楽しまなくちゃな!」
「お前行くんだろ?」
「当たり前だろ!」
「船長と同じ店だけはやめとけよ、いい女は全員船長狙いだからよ」
そんな話が聞こえてくる。
「おい、お前ら!カブトムシの前でそういう話やめろ」
ペンギンがそう言うと、みんなはハッ(゜ロ゜)とした表情でわたしを見てきた。
「え(´・ω・`)?」
わたしが呆然としていると、みんな黙ってサーっと片付けに戻った。
ぃゃぃゃ、あそこまで聞いてたら大体わかるわ…(笑)
ローも女の人のところに行くのかなぁ…
そう思うと胸が苦しくなった。
「おい」
…………なんでだろ ローが女の人とそういうことしてるのを想像すると嫌な気持ちになる………
「おい」
………今まで船ではいつもわたしを大切にしてくれていたローが他の女の子に取られるのが嫌だ………
「おい 聞いてんのか」
ハッとローを見る。
「ごめん 聞いてなかった……」
「だからお前には自由時間はねぇからな」
「え(´・ω・`)?」
「俺と一緒に行動しろ」
「え………」
「船長命令だ」
頭に浮かぶのはさっきのクルーの話。
わたしを連れて女の人のとこに?…………
「え……でも、ローは女の人のとこに行くんじゃないの………」
「は?」
「え(´・ω・`)?」
「俺は行かねぇよ」
「え……そうなの……」
「なんだ 行ってほしかったのかよ」
ローはふっと笑う。
わたしは首を横にふる。
「ローが女の人のとこに行くが嫌だって思う……なんだか取られる気がする……」
「なんだそれ」
またローはふっと笑う。
「今日は珍しく俺が船番だ お前も船番付き合え」
「船番(´・ω・`)?」
「文句は言わせねぇからな」
「わたししたことないよ」
「上陸中は海底に潜らせるからまず何かあることはない まぁ、留守番みたいなもんだ とくにすることはない」
そう言いながらローは船を海底に沈めた。
船が海底に沈み終わるとローは食堂に歩いて行った。
わたしもついていくと、
「飯作れ 腹減った」
「いいけど、なにがいいの?」
「ミルクスープ」
「わかった(*^^*)♪」
そしてわたしは自分とローのミルクスープとおむすびを作り、ローと一緒にごはんを食べた。
「ロー、なんで今日みんなと一緒にいかなったの?」
「あ?」
「みんなずいぶん楽しみにしてたけど」
「俺ははなから楽しみになんかはしてねぇよ あいつらみたいな飢えてる奴らと同じにすんな」
「でもロー、そういうこといっぱいしてきたんでしょ?……」
「そんなこと聞くな」
「なんか………嫌なの」
「なんでだ」
「なんかわからないけど」
ローはふっと笑う。
「飯食ったら俺の部屋こい 片付けちゃんとしとけよ」
そう言ってローは先に船長室に向かった。