MORE(ロー長編)【完結】

□no.24
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ごはんを食べ、片付けを済ますとわたしは船長室へ向かった。


「ロー?」


「その辺に座れ」


そう言ってある記事をわたしに渡した。


“シルバーズ・レイリー、シャボンディ諸島にて目撃?”


「え…これって……」


「俺たちがいずれ目指してるとこだ」


クルーのみんなからシャボンディ諸島の名はよく聞いていた。


「そっか 会えるかもしれないんだ!\(^^)/」


「まぁそんな簡単には会えないだろうが、一番手がかりにはなるだろ」


「そうだよね\(^^)/」


と、話してるときだった。

バーン バーン


船の近くで砲撃の音がした。


ローとわたしの間に緊張の空気が漂う。


「ここに船があるってわかってるやつの仕業だな」


「なんでわかったんだろ…」


ローは砲撃を回避して安全な海上に出た。


そして敵船にて目にしたのは昼間のあの女だった。


「ロー、あの女の人…」


「ぁぁ、昼間のやつだ」


「なんで海軍を?」


「グルってことだろ おかしいと思ったんだ あの貧弱がなぜお前狙いだったか」


「トラファルガーロー!昼間はよくも侮辱してくれたわね!そしてそこの女、潰してやるわ!」


「トラファルガー!そしてレイリーの娘!大人しく捕まるのだ!抵抗するな!」

「まんまとあのキャスケット帽くんが騙されてくれてよかったわよ!ちょっと身体出せば何でも教えてくれたわ」


「ロー、わたしああ言うのが一番許せない…」


そう言ってわたしは女の船に乗り込んだ。


「待て カブトムシ!!」


わたしはローの呼びかけに振り返りもせずに敵船に乗り込んだ。


「シャチは?シャチになんにもしてないよね?」


「なに シャチって?」


女の高笑いが気に触る。


「あんたが騙した人のこと!」


「ぁぁ、あのキャスケット帽くんね。ここにいるけど」


その奥に裸のまま鎖に繋がれたシャチがいた。


「シャチーー!!!!」


「カブトムシ………」


わたしが覇気を使おうとした時だった。


「 ROOM 」


ローがわたしの手を掴み、わたしを自分の後ろに隠した。


「バカ 最初っからお前狙いだ 俺と一緒に行動しろって言ったはずだ」


「さすがトラファルガーロー、わたしが惚れるだけあるわ!分析力もその辺の奴らと違うわね。それにしても、悲しいわ。わたしをあんなに船に乗せれないと言ってたあなたがまさかこんなガキ娘なんかを乗せてるなんて」


「それがこいつを狙う理由か?」


「そうよ!あなたが好きなの、夜も寝れないくらい!ずっとあなたを求めてた!あなたはたった一夜でわたしの前から消え去った。忘れられないの ロー、あなたのことが!今まで男なんて誰でも落とせた…本当に好きな人をなぜわたしは落とせないの…?」


「守りたいものの大きさの違いだ」


「ロー、離して!わたしがシャチが助けるの!あの女はわたしがやる!シャチにあんなことするなんてわたしが許さない!」


わたしはシャチの姿しか見えない。


助けるの わたしの仲間


女とローの会話なんて頭に入ってこない。


わたしはシャチを助けることで頭がいっぱいだった。

そしてローの手を振り払い、海軍に自ら立ち向かって行った。


「シャチー!!今 助けるからね!!」


覇気を使う。


覇王色、見聞色、武装色


何人かかってこようが、


なにを使ってこようが、


守りたいものの大きさで


勝敗は決まる。


海軍が自分たちの名誉を守るという大きさと、


わたしがシャチを守りたいという大きさは、


わたしの方が大きい。


気付くと海軍は誰1人立ち上がれる人はいなかった。

「お前にできるか?あいつみたいに守りたいものをあぁやって守りきることが」

「なによ 強い女が好きなわけ?」


「違う。あいつの強さはいつだって守りたいもので決まる。お前はもっと本気で大切に守りたい人を探せ。俺じゃないはずだ」


「わたしはあなたを……」

「ああやって自分より俺を守れるか?」


「なによ……意味がわからないわ」


「俺を撃ってみろ。お前が隠してるその銃でな」


「…ふふ…いいわよ…あなたがわたしよりあのガキを選ぶなら見損なったわ…この手で殺してやる!」


そう言ってローに銃を向けた瞬間だった。


わたしは女の持っていた銃を足で蹴り散らす。


そして女に蹴りを入れる。

「ローになにすんの!ローになんかしたら絶対許さないから!」


「こういうことだ」


「え?なに(・_・?)」


「…………ちっ、だから何よ こんなガキが」


「俺はこうやってがむしゃらに俺を守りたいって思うこいつしか興味がない」


「だからロー、なんのこと(´・ω・`)?」


「………なんで……なんでわたしじゃないの」


「俺の女に手ぇ出すな」


その言葉に身体が固まる。

「船長…………」


鎖がついたままのシャチがわたしたちの元に近寄ってきたとき、その言葉を耳にする。


ローはしっかりと愛しいカブトムシの手をギュッと握った。

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