MORE(ロー長編)【完結】

□no.26
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ローはわたしより三歩先を歩き、どんどん歩き進んで行った。


わたしはそんなローを追いかけるようについていった。


気づけばそこは何もない小高い崖の上で見上げれば空一面、たくさんの星で埋め尽くされていた。


思い出すよ………



「着いた」


「ここって…」


「お前が言ってたとこみたいだろ」


「ロー……覚えてくれてたの?」


「お前が育った島でお前がいつも見てた星空と似てる気がした」


「うん…………」


「何 お前泣いてんのか」

「泣いてない………」


「嘘つけ どこが泣いてないんだ」


ローはふと笑う。


「だって、懐かしいし嬉しいしなんかわからないけど涙でる………」


「お前に聞こうと思うことがある」


「なに?………」


「お前、レイリーに会えたらレイリーとそのまま一緒にいるのか?」


「え……」


「お前はこの船降りるのか?」


わたしは頭の中が一気にぐしゃぐしゃになる。


もともとレイリーを探すために海に出た。


レイリーがいなくて寂しくて寂しくて耐えられなくて海に出た。


今もレイリーに会いたいよ


でも………


船を降りる……


そんなこと考えたことなかった。


レイリーに会うことと、

この船で当たり前のように過ごしてきたかけがえのない時間はわたしを苦しめる

そして誰よりもわたしの近くにいてくれたロー


わたしは………………








「ロー、降りれない…わたし、この船降りるなんて考えれない……」


ローは黙ったままだ。


「確かにね、わたしはレイリーを求めて海を出た…でも今こうして大切なみんなといることが今のわたしの全てなの…それに……」


「なんだ」


「それに…わたし、ローが……」


「だからなんだ」


「ローがいないと生きていけない!!」


ローはふっと笑う。


「なら降りんな」


「ロー………」


「俺、初めて不安になった お前がいなくなるんじゃないかって」


「……!」


「レイリーに会ったらお前はそのままこの船降りて、レイリーのとこに戻るんじゃないかって」


「ロー………」


そしてローの唇がわたしに重なる。


顔が離れたかと思うとローと見つめ合う。


「一回しか言わねぇからちゃんと聞いとけ」


「……………うん」


「好きだ」







ねぇ、ロー


わたしはいつだってローみたいに賢く考えれない


恋だって愛だって


よくわからない


でも、ローの言葉


ローの温もり


ローの全てがなにより愛しい


これを 恋って呼ぶんだろうね


こんなにローを思うこの気持ちを 愛って呼ぶんだろうね


わたしは初めて確信した



「わたしもローが好き」


「もっと言え」


「え………一回しか言わないからもう言わない!(/ω\) 」


「それは俺が言ったことだろ お前はそんな約束してない もっと言え」


「言わない 言わない」


そんなわたしたちを通りすがりにクルーたちは目撃するのだ。


「船長とカブトムシ、何やってんだ?」


「バレないようにしろよ バレたら船長にバラされるぞ」


………………………………………………………………

わたしもローが好き




「「!?!?!!!」」





ねぇロー、ローこそ一回じゃなくてもっと言ってよ


もっともっと言って


もっともっと愛して


そしてもっともっとあなたといたい





あなたに出会えたこと


それがわたしの全てです


これから続く長い旅


わたしはあなたをもっともっと好きになる


THE END

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