MORE(ロー長編)【完結】

□no.2
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大浴場から部屋に帰り、布団に寝転がる。


結局この島に上陸して1ヶ月なんの手がかりもなかった。


わたしは父親を探している。


父親は名の知れた海賊だ。

その名を聞けば誰もが知っている…


しかしその名を聞くことはいつだってどこだってなかった。


わたしの父親の名は


シルバーズ レイリー


あの海賊王ロジャーの副船長をしていた。


わたしは物心ついたときには何もない島でレイリーと二人で暮らしていた。


女の子なのにわたしはレイリーから生きてく術を教えられた。


小さな海王類や島にいた野生動物と毎日のように戦う日々だった。


そのおかげでレイリーから見聞色、武装色、覇王色 全ての覇気を習得した。


しかし人前では使ってはいけない、そう言われ続けた。


あの海賊に捕まったときにだって覇気を使ってもいいのならば勝てたはず。


でも人前で使ってはいけない、そのレイリーとの約束が頭から離れず結局覇気を使えないわたしに勝ち目はなかった。


覇気を使ってはいけないのも、レイリーがわたしのそばから離れたのもわたしがシルバーズ・レイリーの娘だとバレたらいけないから。


レイリーはわたしが覇気を全て習得すると、この無人島でわたしは1人でもやっていけると、島を出た。


“待ってろ 必ず帰ってくる”


そう言って島を出た。


しかし人間は1人の孤独のツラさには勝てない。


わたしはレイリーを探しに禁断の海に出た。


海に出た以上、レイリーの娘だと決してバレてはいけない。


わたしはただの旅人。


だったはずなのに………

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