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□興奮しますね、もちろんそういう意味で
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私は四時間目の実技体育が終わりひと息つきながら噴水の縁に座る。次は昼休みなので持ってきていた鞄も名無しの隣にちょこんと置かれていた。
夏真っ盛りな今噴水の側はとても気持ちがいい。買ったばかりのスポーツ飲料を額に押し当てて目をつむる。
「気持ちぃ〜」
「何が気持ちいいんですか?名無しさん?」
「えっ…わっ!?」
目を開ければかなり近い距離に奥村先生のドアップな顔。
驚いて後ろに引こうとすれば案の定…
バチャーン!!
名無しは噴水にダイブした。
「なにっすんだ!!げほっ!!」
「なにもしてませんよ?」
「なんて神出鬼没なんだコイツ…」
落ちたスポーツ飲料を手に取り噴水から出る。
涼しくなったがこれじゃ一際生徒から変な目で見られてしまう。
「名無しさん…」
「なんすか?」
「いや…いい眺めだと思いまして」
眼鏡のブリッジを上げて口角をあげる奥村先生。
は?とくびをひねる名無し。
「ぶはっ可愛すぎますよ!……因みに名無しさん」
「なんすか?」
「下着丸見え」
「なっ!!早く言えやぁぁぁ!!」
渾身の力で持っていたスポーツ飲料を奥村先生にぶつけてやった。
眼鏡が大変なことになっていたけど気にしない。
「名無しさんの下着!!やばい…興奮してきた…」
「変態ぃぃぃ!!」
鞄を抱き締め名無しは走り出す。そのあとを半笑でおいかける奥村先生がいたとかいないとか。
因みにピンク色でした。
『興奮しますね、もちろんそういう意味で』
end