ブック

□赤くなります
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ボクが戻ってきてから名無しはずっとボクの後をついてきます。

ボクは全然気にしないのです。名無しが一緒にいてくれるのは嬉しいことなので。



「名無し」


「なんですか?」


「ボクはお風呂に入りたいんですけど、名無しも入ります?」

「は、入ります!!」



若干頬を赤らめて名無しは頷く。
必死なその姿が可愛くて胸の辺りがギュッと締め付けられました。それは甘い痺れ。
ずっと感じていたい幸福感。


バスルームにつけば名無しは赤い顔をさらに赤くして戸惑うみたいにオロオロしている。

やっぱり恥ずかしいんですかね?


「あ、アマイモンさん…」


「なんですか?」


「先入っててください!すぐ入りますから」


「わかりました。早く来てくださいね」



名無しの赤い頬を撫でてボクはバスタブに向かいます。

名無しとお風呂に入るのは何度かありました。
その度に名無しオロオロしてました。

初めて二人で入った時みたいに新鮮な反応が大好きです。

ガラガラと扉が開くとあとはほんの一瞬。

名無しがお湯を頭からかぶって物凄い早さでバスタブに飛び込みます。
バスタオルを巻いているのに恥ずかしい、と前も言っていました。


「ぷはっ!!」


「大丈夫ですか?」


「はい!!なんとか」


「名無しとお風呂に入るのは久しぶりですかね」


「そーですね。やっぱり二人で入ると気持ちいいですね」



膝に顎をのせてボクを見る名無し。
頬が上気して涙目で。
そんな顔で見られたらボクは絶対に真っ赤にちがいない。

ここがお風呂だから顔の赤さはバレてないかもしれない。けどボク自身は頬に感じる熱さが普通じゃない。

こんな情けない顔は名無しに見せたくない。

だから名無しを抱き締めた。


「フフフ…アマイモンさん可愛」

「名無しの方が可愛いです。それはもう食べたいくらいに」


「アマイモンさんに食べられるなら本望ですよ。だってそしたら一生一緒にいられるじゃないですか」


「そしたら名無しの笑顔が見れないのでやっばり食べません」


たかが布切れ一枚を挟んだ名無しの体。
お風呂に入った時点でボクの理性なんてどこかに消えていった。
そしてボクにはち切れんばかりの思いを込めていってくれる言葉。
全部がボクの欲を駆り立てる。

悪魔だから欲には忠実。けど名無しを傷つけないように。



「名無し……」


「アマイモん!……っんは…アマイモンさん?」


「名無しを見てたら欲情しました。早く上がってしましょう」

「なにをするんですか!」


「体で愛し合うんですよ」


「っ!?」



あぁ、また名無しはそうやってボクの欲を駆り立てるような顔をするんだ。

ベッドまでつれていく途中に理性を失うかもしれません。

そう言ってキスをすれば真っ赤になる名無し。
つられてボクも真っ赤になります。











赤くなります









こんか顔になるのは君の前だけ。
だから君のその感じてる顔も体もボクだけのもの。










end

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