ブック

□口下手になります
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部屋に広がる甘い香りと妖艶な雰囲気。

まさにさっきまでことをしていたのだ。
ボクたちはよくその余韻に浸る。名無しもこの時間は好きらしいです。



「名無し好きです」


「どうしたんですか?いきなり」

「いつも思ってます。ボクの心のなかにはもっともっと沢山名無しに伝えたいことがあります。だけどボクの言葉では伝わらないので」


「アマイモンさん…アマイモンさんの気持ちはすっごくわかります!!私も好きで好きで……どうしたらこの気持ち伝わるんですかね?」



伝えたいことがうまく伝わらない。それがこんなにもどかしいなんて。

けれど名無しも同じ気持ちなんだ。なんだか面白いです。

伝えたいことがうまく伝わらない今でもこんなに思い会えているなら伝えたいことが伝わったときボクたちはどうなるんでしょう?
きっと堪らなく愛しくなってもしかしたら虚無界につれていってしまうかもしれない。


だから、もしかしたら、伝えたいことがうまく伝わらない方がボクらにとってはいいのかもしれない。



「もしも伝えたいことが伝わったとき名無しはどうしますか?」


「幸せになりますかね。お互いが思ってるわだかまりがなくなるので」


「そうですか?」



「そうですよ」



名無しが言うならきっとそうなんだろうな。



「名無し好きです」


「私も好きです」


「名無しを愛してます」


「……アマイモンさん。ずっと一緒にいてくれますか?」


「はい」



ボクは口下手でどうしてもうまく君に思いを伝えられないときもあるかもしれないけど。

君を不安にさせてしまうこともきっとたくさんある。


でも気づいて欲しい。"好きです"って言葉にたくさんボクの思いが詰まってること。

言葉にできない分たくさんたくさん君への思いをのせてるから。

だからどんな時も不安にならないで下さい。


たくさん君への思いをのせて何度も囁くから。




だからボクが不安に押し潰されそうになってるときは名無しからの言葉を待ってます。

名無しも口下手だから慌てるかもしれないけど、そんな時ボクみたいに"好きです"って言ってください。

君のその言葉にもきっとたくさんの思いが詰まってる筈ですから。


「名無し"好きです"。大好きで愛してます」


「嬉しいです…私も"好きです"…」













口下手になります









たくさん囁くからボクの気持ちよ、伝われ!











end

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