ブック

□幸せになります
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君を見ているとなぜかぽかぽかしてボクがボクじゃなくなって赤くなって口下手になります。

それは本当に幸せなことだ、とボクは思います。

殺しだけしついては見つけられなかった感情。
君と恋をして愛し合えたから見つけ出せた感情。

昔は変わっていくのが怖くてたくさん迷いました。
だけど名無しはそんなボクを優しく包んでくれました。

名無しはあたたかくて泣いてしまいました。
泣いてる間ずっと頭を撫でてくれた名無しの手。

今度はボクの番。
名無しの手をしっかり握って迷わないように。
君といる未来ずっと手をつないでいてあげます。

だから、ボクと…


ボクと………



「名無し。結婚しましょう」

「っ!!アマイモン…さん?」


「ボクは虚無界の悪魔で、名無しは物質界の人間ですが。こんなボクでよければ結婚してください」


「……よろこんで!」



ほんのり染まった頬に名無しの涙が流れる。
その涙を拭うようにそっと頬を撫でる。

くすぐったいと身をよじる名無しが愛しくて愛しくて。


名無しの綺麗な真っ白い左手をとって指輪をつけました。

物質界にないような綺麗な綺麗な石でつくって貰いました。
名無しの瞳と同じ色の紫です。



「綺麗」


「はい。虚無界でみつけた宝石です。この世で一つしかないボクたちの指輪です」


「嬉しいです!アマイモンさんこんな私がお嫁でいいんですか?」

「名無しにしかつとまりません。ボクが愛して止まないのは名無しだけなんです」


「……っ…アマイモンさん。本当に私は幸福者だなぁ。私もアマイモンさんが大好きで愛してます!」


「知ってます」


「アマイモンさんっ!!……キス……してください」


「はい」



未来永劫君を愛することを誓います。

このキスはボクたちの契り。

偽りのない真っ直ぐな愛。


いつかくる最後の日まで、君とボクが愛し合っていられるように。そんな思いをのせて名無しにたくさんキスをした。

きっとボクたちはお互いを手放せない。

こんなにも依存してしまっているから。



「兄上ー」


「メフィストさーん」


「なんだ?二人して」


「名無しとボク結婚します」

「はい。アマイモンさんと私は結婚します!!メフィストさん喜んでくれますか!?」


「……まったく。アナタ達は…。悪魔と人間が契りを交わしたということはこの先何時までもついて回ります。覚悟のほどは?」


「ボクは誰になにを言われても手放すつもりはありません。名無しはボクが守ります」


「名無しさんは?」


「はい、私も絶対にアマイモンさんを裏切りません。私の全てを捧げます。悪魔とか人間とかじゃなくてアマイモンさんを愛してますから」


「よろしいでしょう。アマイモン呉々も名無しさんを泣かすな」


「はい!!」


「では、晴れて夫婦ですね☆おめでとうございます☆」



ボクたちの未来が例え暗くても、名無しと一緒なら楽しい気がします。

悪魔に身を狙われるかもわからない名無し。

ボクは君の夫として未来永劫君を愛し、守り抜きます。


だからボクの背中を押して支えてください。







―――名無し、愛してます。













幸せになります













end
atgk アマイモンさんのこの"〜になりますシリーズ"完結です。

かいてて本当に楽しかったです。続編を出せたらお題に沿って出したいくらい楽しかったです。
続編はイチャイチャ夫婦目指したいなぁ。
とか、思ってたりします。


20130805

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