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□七夕でドタバタ
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「うわぁぁぁん!やっぱ見つからない!!」
たくさん探したけどどこにもいなくて。
虚無界に帰るのには兄上様の作った"道"でしか帰れない。
名無しはまた地面にへたりこんで泣き出してしまった。
「おまえなんでないてんだ?」
「ふぇ…?」
「だいじょーぶ?」
地面に座る名無しと同じくらいの身長の子供2人が話しかけてきた。
名無しは首をかしげた。
「あなたたちは?」
「おれはおくむらりん!!ゆきおの兄ちゃんだ!」
「おくむらゆきおです!おねーさんは?」
「……名無しです…よろしくねりん君ゆきお君」
「おう!」
「名無しさんはなんで泣いてるの?」
「う…」
話しかけられてアマイモン様をすっかり忘れていた。しかしなんで?と聞かれてまた名無しは泣き出してしまった。
「なななななんだよ!?」
「名無しさん!?」
「だいじょーぶだよっ!!大好きな大好きな人とはぐれちゃったんだよぅ…!」
「泣くなよ〜年いくつなんだ?」
「1011歳ぃ…」
「じょーだん言えるならだいじょーぶだな!」
「そうだね」
「じょーだんじゃないよぅ…」
「おれもさがしてやるよ!!」
「ぼくも!」
「ありがとぉ…」
涙を拭い名無しは立ち上がる。ついた砂を払い2人から差し出された手を握った。
「どーしてはぐれちゃったの?」
「うん…分からないけど。私とアマイモン様が仲良すぎたからかな?兄上様が離しちゃったのかな?じゃぁ…アマイモン様は虚無界にいるのかな?え!?かえれないじゃん!?」
「なにブツブツいってんだよ!!」
「織姫と彦星みたいだね!」
ゆきお君がニコニコとしながら名無しを見る。
織姫と彦星?
「けっこんした織姫と彦星がしごとをしなくなって天の川を隔てて離ればなれにされちゃったんだって〜」
「私とアマイモン様みたい!!仕事しなくなったからかぁ…」
はぁ…と溜め息をついた名無し。
これはこれで自業自得だから私にはなにもできない。
あ、また涙が出てきた。
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