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□君の全てはボクを魅了する
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談笑しながらボクと名無しはクッキーを食べました。
途中出された紅茶は所謂インスタントと言うやつでそこらですぐに手にはいる代物です。
なのに何ででしょうか?
兄上が淹れてくださる紅茶の何倍も甘いのは。何倍も美味しいのはなぜなんでしょうか?
「あ、名無しが甘いから紅茶も甘いのかもしれません」
「え?」
「名無しちょっと来てください」
「なんですかアマイモンさん?」
ボクが手で名無しを招けば綺麗な茶色の髪をフワフワさせながら走ってきてくれます。
そしてボクの目を綺麗な目で見つめてくれます。
「どうしたんですか?」
「名無しの淹れてくれる紅茶は兄上が淹れてくださる紅茶の何倍も美味しいのはなぜなんでしょうか?」
「えっと…どーしてかな?」
「甘くて何杯飲んでも飽きないと思います」
「それは大袈裟です」
「本当です。だからボクは考えたんです!」
「なにをですか?」
「甘いのは名無しがとても甘くて美味しいからです。甘い名無しが用意して淹れてくれたから甘いんですよ!」
「私?私が甘いんですか?」
名無しが首をコテンとかしげます。そんな仕草さえボクを魅了しているのに名無しは気づいているんでしょうか?
「私はたたの人間だから甘くないですよ?アマイモンさんはいつも甘い香りがするから甘いんじゃないですか?」
「では試してみましょう?」
「え?」
「名無し」
「うむぅ!?」
ボクは名無しの一番美味しそうな唇を舐めました。
そしたらやっぱり甘くて甘くて。
「ななななにしてるんですか!?アマイモンさん!?」
「"きす"です」
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