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□とろける甘さ
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「あつー…い」
「名無しこれで記念すべき100回目ですよ?」
「だって暑いんだもん」
アマイモンのうでの中に現在収まり中。
背中にアマイモンを感じられるのはとっても幸せなことで、大好きなアマイモンだからいつもならなにも思わないけれど…
これだけの猛暑のなか一人じゃ広すぎる寮の部屋でわざわざ二人くっつく必要はないのだ。
まぁ、何が言いたいかっていうと暑いのに二人密着しなくてよくね?ってことです。はい。
「アマイモン暑い〜はなしてよ〜」
「イヤです。名無しはボクのです」
「ここは私の部屋だから誰もとらないよ?」
「外に行くととられちゃうんですか?」
「うっ…私はアマイモン一筋だから大丈夫だよぉ?」
「ならこのままでもいいですよね?」
「それとこれは違うよ!」
「…………」
あからさまにシュンとなったのが背中越しに伝わってきた。
後ろを向けば案の定頭のトンガリをシュンとさせたアマイモンがいた。
私は慌ててアマイモンのほうへと向き直り、俯くアマイモンの頬を手ではさんで目をあわせた。
「……ボクのこと嫌いですか?」
「ごめんなさい言い過ぎちゃったね。私はアマイモン大好きだよ?ただ暑すぎてさ…ハハハ」
「じゃボクのこと嫌いじゃないんですね」
「うん!断言できるよ」
「ワーイ」
あいかわらず無表情だけどこうやって嬉しいときはアマイモンの雰囲気が変わる。
それに最近はちょぉーとだけ笑顔が増えてきていた。
私の影響だと嬉しいなぁ…。
「名無し、暑いんですよね?」
「うん!扇風機じゃ夏をしのげない!!」
「では、行きますか」
「え?」
「掴まってて下さいね?」
「あっと…え?ここ窓で……」
「びゅーん」
「え?まっ!ひぎゃゃゃゃ!!」
ここは三階ですよ?
アマイモンが悪魔なのは知ってるけどこれは刺激が強すぎた。
おかげで肝が冷えました。
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