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□とろける甘さ
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ついた先は理事長室。
つくまでの緊張感かいっきに抜けてソファーに脱力する名無し。
傍らではアマイモンが食器棚の中をガサゴソとあさる。
時折パリーンとかガシャーンとか聞こえるけど私はなにも知りません。
「てか、理事長室涼しすぎ…ずるいぞ。メフィストもいないのにクーラーつけっぱかい!!リッチめ!!」
ソファーの背もたれに頭をのせて気持ちいい風を受けながら名無しはアマイモンを待つ。
音がなりやんだ。
お探しのものがみつかったのかもしれない。
「名無しー」
「わぁ!?かき氷機」
「はい。一度兄上に作ってもらいました。暑い夏にはかき氷が一番だと言っていました」
「うんうん!かき氷!!うひゃー見るだけで涼しくなるよ!」
「では、ウコバクに…」
「ちょちょちょちょ…アマイモン。かき氷は簡単に作れるよ?ウコバクをかき氷作るためだけによんだら悪いよ」
「そうなんですか?」
「そうなんだよ」
持ってきてあった氷を手にとってかき氷機にセットする。
取っ手を回せば綺麗で小さな氷が降ってくる。
「ははぁ…こんなに簡単なんですね」
「でしょ?簡単簡単」
「ボクもやりたいです!」
「どーぞ」
「ワーイ」
変わってやれば楽しそうに回し出すアマイモン。
勢いが凄まじいがあえて言わないでおこう。
氷が山盛りになったので名無しはアマイモンを制止してシロップを見つめる。
「イチゴ、レモン、ブルーハワイ…王道うしかないね」
「名無しは何が良いですか?」
「ん……レモン!!」
「じゃ、ボクはイチゴにします」
アマイモンにならい名無しも氷の山にこれでもかっと言うくらいシロップをかける。
シロップ多い方が美味しいじゃん!だから問題なし!
「んにゃー…冷たーい!」
「美味しいです」
「うん美味しいね!」
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