色染くココロ
□暇潰しに殺し合い
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「ん………っ?」
意識を取り戻した私は辺りを見渡す。一面森だ。
あぁ、死んでないのか。
確かな痛覚にそんなことを思う。どうせなら殺してくれたらよかったのに。
反面で死ななくてよかったと安堵する私がいた。
「安堵してる場合じゃないか………」
血がまだとくとくと溢れている。何故か全く塞がらない傷口。
こんなに痛みを感じながらじわじわと死んでいくのか。
なんて悪魔らしくない死にかただ。本当に私は悪魔らしくない悪魔だ。
自嘲気味に笑って目を閉じる。
風が髪を揺らす。長い髪が汗ばんだ顔や血をながす手などにくっついてうっとうしい。
なんで髪を伸ばしたのかな?
「……っ最悪…」
目を開ければ辺り一面に鬼の姿。見ればかなり大きな鬼もいるでないか。
私の血につられてやって来たのかな?大量出血だからね。
だけど困った。
指先一本にも力が入らない今鬼を倒せる自信がない。
こんな最後、誰が望んだよ。
最後はもっともっと楽に死にたかった。
「最後にもんじゃ焼き食いたかった…」
物質界に来たら必ず食べていたもんじゃ焼き。
もう一度食べたかった。
後に来るであろう衝撃に私はそっと目を閉じた。
end