憂いが混ざる空の果て

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「うりゃぁぁあ!!」


と、意気込んで突っ込んだは良いのだがまさか突っ込んだ瞬間容量オーバーするなんて。

ただ、ちょっと恥ずかしくなった。そして助けてくれたセリークありがとう。

そんなことを思いながら藤堂が爆発した爆風に飛ばされた。

背を強く木に当ててしまい骨が軋んだ。



「いった…でも容量オーバーはしたよね!」


「成程。熱暴走を狙っていたのか…。食べ過ぎは禁物ということだね。いい勉強になったよ。だが、不死鳥の再生能力をナメてもらっては困る」


「いや…」


「なっ!?」


「不死の身体も灰となって水にとけてしまえばそう簡単には再生できないはずだ」


「参ったね、君は…まさか…」



静かに崩れていく藤堂の体。
運よく雨が降っててくれてよかった。

奥村先生は天候も見方につけたんだね、流石だよ。



「奥村先生?」


「時間稼ぎはできます。一刻も早く身体の部位をバラバラに拘束しなければいずれは再生します」


「わ、私も手伝います!!」


「名無しさん。大丈夫ですか?」


「へーきです」


「背中擦りむいてますけど」


「え!?」


「あとで処置しましょうか」


「すいません」



頭を下げながら奥村先生の指示に従う。

私が拘束するのは藤堂の腕らしきなにか。

少し離れた場所にあったが雨が降ってるし大丈夫だよね。


そうして気を抜いていた



「気持ち悪…泥団子作れそうあ、灰団子?」


だからいけなかった


「拘束ってどうすれば…い、いんぐっ!?」


藤堂の腕が再生してたのに気づかなかったんだ


「カハッ…と、どう……グァ!!」


ミシミシと首を絞める藤堂の腕。
その腕から藤堂の顔がゆっくりと再生していく。



「一人になったのが仇となったね」


「ふっ…はな、してぇ…!」


「君にも聞きたいことがあるんだよ!ほら、君は2つ持ってるだろ?」


「ケホッ…ガハァッ…ぁ」


「1つ分けてくれないかい?そうすればまた力を手にできる気がするんだよ」



―――ゾクッ



腕だけだった藤堂はいつの間に身体もあって。
放された首の代わりに馬乗りになる藤堂。

完璧に再生しきってない顔が私を見下ろす。

気持ち悪い。



「はなせっ!!奥村先生っ!!」


「おや、自分では私を倒せないかい?」


「っぐ!!」


「さぁ…私にそれを頂戴してくれないか?名無し君」



振り上げられた腕。

全てがスローモーションに見えた。




そんな中で脳裏に見えたのは



『お母ぁさん……な、んで…!お母ぁさん……』


泣きじゃくる私

血濡れた母


それを見下ろす父。





意味わかんないよ。











オマケ


「名無しさん背中擦りむいてますけど?」


「え!?」


「(あ、あと雨となんかその他諸々で下着丸見えとか言えないよ)」





「兄上、兄上」


「次はなんだ?」


「上は下とお揃い見たいです」


「な、なんだとっ!?」












end
うん。諸見えだとおもう。
どっちも。

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