憂いが混ざる空の果て

□47
1ページ/1ページ

「名無しっ!お前どこにいたんだよ!?」


「やぁーシュラさん」


「やぁーじゃねーんだよ!バカアホ心配させんな!!」


「いったーい!乳くさーい」



首をしめてくるシュラさん。

でも一個も苦しくなくて、さすがシュラさんだ。

おねぇさんみたいにあったかいひと。



「んにゃ!?名無しっ!」


「ふっ…シュ…ラさん!!」


「え!?アタシか、アタシなのか!?ジト目でみんな燐!!」


「名無しを泣かすなよ!!大丈夫か!?首か首がいてーのか!?」


「ちがっ…いた、くない…い、は……」



いたいとこなんてないよ。

でもなんとなく苦しくて涙が止まらない。

不浄王討伐には参加できなかったけど全てが終わった。
混乱することがいっぱいでまだうまく整理できてないけど。

私はこんなあったかい人たちに囲まれてたんだろうって思うだけで涙が止まらない。



「あ、……んさん。……ひっく…も…」


「にゃんだって?」


「名無しさん……。今は宿に帰りましょう。兄さんはこっち…」

「なんだよ…」



奥村兄弟のやり取りを遠くに感じながらシュラさんにしがみついて泣きじゃくる。

でも一番に会いたいのは何故かここにいる人じゃないんだ。


―――アマイモンさん


頭に思い浮かぶのはあなたなんです。



「そういやこのこ誰なん?」


「わ、わた、しは…」


「彼女は無名名無しさんですよ。最近入塾したんです」


「ほーか…手紙とか色々ありがとーな。勝呂竜士や」


「僕は三輪子猫丸どす。よろしゅう。無名さん」


「俺は志摩廉造!名無しちゃんタイプやねん…アド教えてぇや」

「……志摩くん。さぁ、いきましょう。志摩くん兄さんを頼みますね」


「えぇ!?」


「じゃぁアタシは先いくからにゃ…名無し行くぞ」


「うん…」



シュラさんは宿につくまでずっと手を繋いでてくれた。

無言の優しさにまた涙がでてきて。そしたら慌てなから頭を撫でてくれた。そしたらまた涙が止まらなくなって。

無限ループだな。



「名無し早く泣き止めよ?部屋は余ってねーから…アタシと一緒でいいか?」


「ふっ…う、はい!!」


「おはようございまーす!!」


「うわぁ!?メフィスト!?」


「ひゃぁっ!?」


「では、さよーなら!!」


「おい待て!!名無しをつれてくなよ!?」


「シュラさぁぁぁん!!」



急にメフィストさんが現れて急に私を抱き上げて急に指パッチン。

ふざけるなよ!



「いった!」


「お疲れさまです名無しさん」


部屋についたのか急に下ろされる。尻を強打してしまった。

尾てい骨が軋んだよ。

大切にあつかって、ガラスの私を。











end

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ