憂いが混ざる空の果て
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気がつけば私は森のような所に寝そべっていた。
鈍い頭痛を感じながら起き上がる。一面森でなにも見当たらない。
「夢だ、これも夢だ…」
ふらふらと立ち上がる。木を伝いながら訳もわからない方向へ進んでみる。
「だだっぴろいなぁ…建物はないのか?」
独り言を呟きながらゆっくり歩く。
「………」
「………」
進んでいけば何かが木にぶら下がっていた。
それは頭のとんがりが特徴的な青年だった。
一心に私を見つめながらたこ焼きのようなものを食べ続ける。
……むっちゃこぼれてるよ?
「君は誰ですか?」
「私は無名名無しです。あなたは誰ですか?何故木にぶら下がりながらもさもさ食べてるんですか?頭はなんなんですか?」
「僕はアマイモンです。地の王です。こうして食べるのが僕のまいぶーむであたまはふぁっしょんです」
「覚えたてなんですね。丸分かりです」
「僕を馬鹿にしたな?」
「しゅた」っと木から降り立つ自称地の王アマイモンさん。
ばくだん焼き片手に私に詰め寄る。
「ば、馬鹿になんかしてません!だから構えた楊枝おろしてぇぇ!!」
「しょうがないですね」
「よかった」
若干理不尽さを感じながらもアマイモンさんを怒らせないように頭を下げた。
「で、無名名無しはなにをしてるんですか?」
「フルネームですか?長ったらしいですよ!名無しでけっ「なにをしてるんですか?」……ま、迷子?です」
ちくしょー。アマイモンだかカライモンだか知んないけど私の言葉を遮るなんて。
つーかばくだん焼きのカス一杯ついてますよ。
子供みたいですよ〜長身の子供ですか?プククク!
「いたたたたた!!」
「僕を馬鹿にしたな?」
「二度目だ、と!?いたたたたぁ!!すいませんでした!」
「次馬鹿にしたらヘドロです」
「へ、ヘドロ!?」
馬鹿力で押さえられていた頭をさする。
なんて奴だ!!出会ったばかりの奴に頭を鷲掴みにされるとは!!
プロロロロ…
「ん?兄上?」
「どうぞでてくだ「兄上?なんのようですか?」…っち!………いたたたたた!ギブギブ!?」
「わかりました。…うるさいですよ。僕は電話中です」
「じゃぁ、放せ!」
「では、兄上の部屋にいきます」
「いだぁぁ!!」
アマイモンさんめ。いや、お願いだから放して!脳みそが!!頭蓋骨ミシミシ言ってるんで!!
ピッ
「行きましょう」
「え!?」
「びゅーん」
「ぎゃゃゃぁぁぁ!!」
end