憂いが混ざる空の果て

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「……アマイモンその肩に担いでいるのはなんだ?」


「?えっと……ヘドロ野郎です。道端で拾いました。とても野太い声を出しますよ」


「どーもヘドロ野郎ですって無名名無しです!アマイモンさんおぼえましょーよ!」


「うるさいですね…」


「いだぁぁぁ!!ぶった!!アマイモンさんがぶった!!」


「ほう、これは本当に野太い声を…」


「ちょっと!なんなんすか!!もう」



なんだよ、ここは?
アマイモンさんに米俵のように担がれついた先はドピンクの部屋。
目チカチカするなぁ…って思ったら部屋の主も目がチカチカするような真っ白な人だった。



「因みに名無しさんは何処の人なんですか?アマイモンが勝手につれてきてしまいすいませんねぇ」


「因にってなんですか、謝るきゼロじゃないですか!」



長いやり取りのせいかアマイモンさんはソファーに座り、変な生き物と一緒にお菓子を食べ出した。


「アマイモンに送らせますんで」

「いや、あの…」



因みにここは何処なのだろうか?あまりにも自然すぎて忘れていた。

ここの世界は私の住む世界と同じなのだろうか?



「ここは何町でしたっけ?モンシャンミッシェル?」


「名無しさん頭がおかしいんですか。そうですか。ここは正十字学園町ですよ」


「正十字学園町?」



はてさて。そんなもの私の住む世界にはあったのか…否あるはずない。

こんなに大規模な町も正十字学園も私の住む日本には存在しない。


「じゃ、じゃぁ!!」



一体ここは!?
私は何処に来てしまったんだ?


「名無しさん大丈夫ですか?」


「兄上さん。私は…」


「?」



ふと思う。
伝えてもよいのだろうか?成り行きでここに来てしまったが彼らに話してしまって巻き込んでもよいのか?



「あ、いやぁ…あははは」


「急に大人しくなりましたね。アマイモン取扱説明書」


「ありません森に落ちてたんで」

「森に?」


「ハイ」


「名無しさん…何者ですか?」


「森の精っいたぁぁぁ!」



兄上さんにも頭をはたかれた。 二人揃って恐ろしいくらい強い。頭が陥没してしまいそうだ。



心底楽しそうに笑う兄上さん。その笑顔私は大嫌いです、はい。










end

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