憂いが混ざる空の果て
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兄上さんやアマイモンさんとなんやかんやしていたら空はもう真っ赤にそまっていた。
そろそろ長居もあれだし早めにきりあげよう。帰る家はないけれど。外に出てみないと色々わからないからね!
「兄上さん」
「どうしたんです名無しさん?」
「むっちゃゲームしてるとこすいませんが。私はそろそろおいとまさせていただきますね!」
「おや?帰る家はあるのですか?」
「あ、ありません」
「どうするつもりで外にでるのですか?」
「家を借りられないかなぁっと」
「名無しさんはバカですか!あぁ、バカでしたか失敬失敬」
コントローラー片手にヒラヒラ笑う兄上さん。
本当に兄上さんの笑い方は嫌いだな…。
「名無しさんは今ここにはあり得ない異質な存在なんですよ?戸籍も身分を証明するものもないんですよ。なのに家を借りられるんですか?」
「わ、私は兄上さんやアマイモンさんが迷惑にならないようにって」
「名無しはバカですね」
「きぃー!兄弟そろって私をバカにしすぎですよ!」
「きぃーなんて普通の人間には言えませんよ、やはり名無しさんはバカなようですね」
「では兄上もバカなんですね。よくてれびの前できぃーっと言っていますし」
「兄上さんもバカじゃんっ!!あはははっいって!」
指差し笑っていたら兄上さんが私の指を逆に折ろうとしてきました。
いたい痛い!!ギブギブ!!
「おーれーる!」
「全く貴方は品がない」
「いいんですよ!別に気にしてないから」
「バカはなにも考えないでここにいたらいいんですよ。バカ名無し」
「ほぇ?」
「イラつきますね」
「いだだだだ!アマイモンさーん!何しとるとですかぁー!」
アマイモンさんはわたしの頬をツネってきやがる。
暴れたらより強くつねられ、私は暴れるのをやめたらアマイモンさんは手を離してくれた。
頬が延びた気がしたけどそれより兄上さんの言ったことの方がすごく気になった。
兄上さんはもう大きなテレビの前でゲームしていて私に背を向けている形だ。
「名無しさんの部屋はアマイモンの隣だ。アマイモンつれってって差し上げなさい」
「わかりました。いきますよバカ名無し」
「まだその名前なんですかバカは兄上さんもバカかんですよ!」
「あぁじゃ、バカ兄上ですね」
「あははは!!ウケる」
「ウケなくていいんで早く部屋に行ってください。夕飯にまた伺います」
「はい!!」
私はアマイモンさんのあとをおい兄上さんの部屋から出た。
「あんな小娘に情がうつったか?ククク…愉快だ」
名無し等が退散したあとの部屋にはメフィストの声が響いていた。
end