憂いが混ざる空の果て

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「おいしぃ!!初めてこんなに美味しいしの食べましたよ!」



ほっぺが落ちるってこういう時に使うんだな〜うんうん。



「あぁ名無しさんには刺激が強すぎましたか?次からはインスタントラーメンにして差し上げます☆」


「いりませんよ!私だって毎日美味しい料理たべたいですよ!」


「ぶっちゃけ食費が浮きますし…」


「ぶっちゃけすぎ!心にしまってください!!」



フォーク片手にいきり立つ名無し。メフィストは嫌そうに目を細めた。



「はしたないですよ。アマイモンより行儀が悪い」


「こんなやつと一緒にしないでください。兄上」


「酷い!?」


「まぁそんなことはおいといて…」


「そんなこと扱い!?」



うぅ、と悔しそうに唇を噛む名無し。裏腹にメフィストは楽しそうに口角を上げた。



「アインス☆ツヴァイ☆ドライ!」


「え…いだっぁ!?」



メフィストの指パッチンと共に頭上から落ちてきたのは"祓魔師の基本-初心者でもわかるDVD特典付き!-"とかかれた一冊の本だった。


――――嫌なよ☆か☆ん☆



「本題に入りますと名無しさんには祓魔師になっていただきたいのです☆」


「予感的中!私が祓魔師なんて無理です!!」


「無理じゃないんですよ。ならなきゃいけないんですよ」


「なんでですか?」



本とフォークを片手にメフィストに詰め寄る名無し。
思いの外顔が近かったためメフィストが名無しの額にデコピンをした。



「いった!」


「名無しさんは異世界から来た異端なのですよ?悪魔がその身を狙わないとも限らない。しかも貴女は悪魔も見えるんですよね?」


「異端って…まぁ、悪魔は見えてますますけど」


「本来悪魔を見れるようになるには魔傷を負った場合のみです」

「魔傷?」


「悪魔から受けた傷のことです」


こちらに来てからのことを思い返してみる。

魔傷、魔傷…



「アマイモンさんには沢山叩かれました」


「はにふえほはいへふ。ほふはほいふにひわへたはは(兄上誤解ですボクはこいつに言われたから…)」


「飲み込んでから話せ」


「……んぐ。兄上ボクはなにもしてませを。全ては名無しが悪いんです。ボクを苛つかせるから」


「アマイモンさん!?」


「……打撲等は含まん。血を流した切り傷のみだ」


「じゃ、ないです」



叩かれた箇所をみたけど血が出た形跡はない。


じゃなんで悪魔見えるんだろう?てか、悪魔ってこんな簡単にどこでもにいるものなのか?



「だから名無しさんは異端なんですよ。魔傷なくして悪魔が見える。所謂特異体質。祓魔師にならないなんてもったいない」


「そーなんですかね?」


「そーなんです。では祓魔師になってもらうべく塾に通ってくださいね!その話は後日します☆」



斯々然々で祓魔師(強制)になる決意をしました。

私なんかがなれるのでしょうか?









end

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