憂いが混ざる空の果て
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兄上さんから貰った祓魔師の本を部屋で黙々と読んでみた。
以外と興味深い内容だ。
「悪魔紹介……八候王。あ、地の王ってアマイモンさんじゃん。フムフム…"地の王"を冠する虚無界の権力者の一人。挿し絵が全然アマイモンさんじゃないや」
次のページのアマイモンさんは鬼のような体だった。
あ、なんとなく目が今の目とにてる。
よく見てみれば二三共通点が見つかる。
「地の王に腐の王、水の王、火の王、氣の王、蟲の王……時の王。八人かと思いきや七人とは!」
本をペラペラ捲ってみる。
ふと頭に疑問がよぎる。
アマイモンさんが八候王のひとりで悪魔なら兄上さんは悪魔だろう。アマイモンさんでもかなり偉い悪魔みたいだから兄上さんも相当な人?なんだろう。
「じゃ、やっぱり八候王のひとりなのかな?」
「フムフム☆勉強熱心ですね!感心感心☆」
「うわっ!!」
「名無しさんは"キャッ"とか言えないんですかね?色気のない……」
部屋にいたのはピンクの浴衣をきた兄上さん。
まさかアニメのキャラがプリントしてあるとは…。
貴方はオタクなんですね!
「兄上さんは何か王の称号持ってるんですか?てか、悪魔ですか?」
「はい☆悪魔ですし私は虚無界の第二権力者で八候王の時の王サマエルです☆以後お見知りおきを」
「え!?時の王なんですか!?挿し絵と違いすぎる!!挿し絵のほうがイケメふぐっ!?」
「おや河豚がたべたいんです?あれは肝にテトロドトキシンと言う毒を持ってるらしいですよ?それでもその肝を食べたいと?仕方ありませんね…」
「すいませんすいませんすいません!貴女のほうがイケメンです。でしゃばってすいません!!」
「よろしい☆」
鷲掴みにされていた頭を放された。ジンジン痛むそこを押さえながら兄上さんを見る。
「おや☆涙目になってますよ?」
「誰の所為ですか誰の!?」
「皆目検討もつきませんねぇ☆貴女は私の所為だとでも?」
「滅相もございません」
与えられたベッドの上で綺麗に土下座をして見せる。
クスクスわらってメフィストは名無しのベッドの縁に腰を下ろした。
「明明後日から塾に通ってくださいね☆制服や塾に必要なものは用意させてもらいます」
「ありがとうございます」
「では、明明後日よろしくお願いいたしますよ」
「はーい」
間延びした返事をしたら兄上さんに頭をはたかれた。
私は本をベッドにおき部屋に備われているお風呂に向かった。
「後でDVD見よう!」
end