憂いが混ざる空の果て

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「アマイモンさーん!」


「なんですか?」


「いやさすがに買いすぎかと…」

「うるさいです。ボクが食べるんですからいいんですよ」


「さいですか」



ボクは兄上からもらった確か諭吉の紙でばくだん焼きをたくさんかいました。

名無しが買いに行きましょといったのにいざかうと買いすぎと言ってきました。


矛盾しています。



「名無し」


「なんですか?トイレですか?催したんですか?大変ですねぇ…」

「死んでください」


「いった!ぶつ必要はないに等しい!!あだっ!?いやすいません。なにも言いません」



ボクが真剣な話をしようとしているのに名無しは馬鹿です。


もしかしたらわざと叩かれているのかもしれません。



「変態なんですね。ま、いーや。名無しさっきどーやったんですか?」


「み、見逃してはいけないワードが!!」



名無しはボクの言葉にいちいち反応しすぎです。
鬱陶しい。



「さっきのってなんですか?」


「ボクがオクムラリンを殴ろうとした時…」



確かにボクはオクムラリンを殺そうと腕を振り上げました。

オクムラリンはボクにとって邪魔な存在でしかないので寝ている間になら簡単に死ぬと思いました。

地震を起こさないように慎重に殴ろうとした時に名無しがボクの手を取りました。



「ばくだん焼きを買いに行きましょ?」



そう言って笑った名無しをみてボクの怒りと殺気は消えました。

暴走したボクを納めるのは兄上でも大変だと兄上が言っていました。
なのに名無しは簡単にそれをしました。



「なにをしたんですか?」


「えっと…さぁ、さぁ…?心当たりは無いけど」



とくに惚けているわけではないようです。

名無しも分からないのにボクがわかるはずありません。



「ただ、アマイモンさんが人を殺してほしくなかったからですかね?ばくだん焼きでつればなんとかなると思いまして…」


「じゃ、ボクはばくだん焼きにつられたんですか?」


「食べ物につられたんですか!?可愛アマイモンさん!」


「名無し」


「え…へぶっ!!いっだぁぁぁ!!あり得ない額に串さした!!」



食べ物につられたのかもしれません。でもあの時名無しの笑顔を見たあと確かに暖かくなりました。


関係ないかもしれませんが本の一瞬名無しの焦った顔も見た気がします。

だからなのかな…?



「まぁ…アマイモンさんは食べ物てか食べることが好きですもんね〜」


「ウザいです」


「え!?」



なんだかモヤモヤしますが今は"食べ物につられた"ってことにします。

そして苛ついたので名無しの頭を叩いてやりました。


涙を流して痛いと言っていましたが気にしません。
それよりも泣いた名無しの顔が面白かったです。











end

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