憂いが混ざる空の果て
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理不尽な暴力を受けながら兄上さんが待つ理事長室に来ました。
「ただいま帰りましたぁー……」
「おかえりなさい名無しさん☆」
「おかえりなさい無名さん」
部屋を開けるまで一緒にいたアマイモンの姿消えた。
そして扉を開けたら見たことない人がいた。
眼鏡が印象的な青年だ。身長がかなり高いけど顔立ちは私と同年代らしい幼差がのこる顔立ちだ。
「名無しさんこのかたは最年少で祓魔師になった奥村雪男先生です。塾の講師をしてるんですよ☆」
「え!?講師さん!?あ、あよろしくお願いいたします!!」
「こちらこそよろしくお願いします」
お互いペコペコ頭を下げていたら兄上さんがクスリと笑った。
「畏まりすぎです。明日からお互いお世話になるんです。もっと力を抜いてください☆」
「いやいや…だって部屋を開けとあらビックリ!まさかの塾講師さんがいるんですよ!畏まりますよ」
「いきなりですいません無名さん。僕も昨日聞いたので…」
「あ、いえ。お気になさらずに…」
「で、さっそく祓魔塾についてですが……」
「ハイ」
こんなに畏まるのはこっちの世界にきて初めてこんなに丁寧な人に会うからもあるだろう。
だって兄上さんもアマイモンさんもすぐ手出すから…こんなに優しい人がいたんだね!
ありがとう神様!!
あ、でもこっちは悪魔かな?ありがとう悪魔ってのも変だし…。
「……って具合なんですけど。……無名さん聞いてます?」
「あ、聞いてませんでした!!」
「えーと簡単に説明しますと……」
塾生はすでに訓練生から候補生へと昇格。より実践的な授業をしている最中。んで、今から入る私はもちのろんただの訓練生で、付いていけないと思われる。
んで、塾に入る前に候補生を取得しろ!!だそうです。
「なんていうか…無理くね?」
「大丈夫です。時間があるときは無名さんを全力でサポートさせていただきます!!」
「はぁ…一応わかりましたよ。で、明日は塾にいかなくていいんですか?」
「一応顔出しはしてもらいたいので明日は来てください」
「わかりまーしたー」
「では、明日また会いましょう。フェレス卿失礼しました」
「いえ、ご苦労様です☆」
なんだか、面倒なことになってきたよ!
頭の中の警報がグワングワンなってる!
……あ、グワングワンなってるのは頭をベヒモスに噛まれてるからだ…。
「いだぁぁぁぁぁぁ!?」
「騒々しいですね☆」
「助けろやぁぁぁ!!」
一難去ってまた一難。
無限ループな気がしました。
end