憂いが混ざる空の果て
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「兄上さん兄上さん」
「なんですか?」
奥村先生がいなくなった兄上さんの部屋。
ソファーに座りながら私はふと思ったことを聞いてみた。
「実際訓練生から候補生になるなはどれくらいかかりますかね?」
「多く見積もって半年から一年ですかね?」
「私は一年でとれますかね?」
「わかりかねますね☆」
「……」
「早く候補生に混じり頑張ってくださいね☆」
頑張ってくださいね☆じゃないんですよ。
あからさまに嫌な顔をしてやった。そしたら兄上さんはクスクスと笑った。
だいたい私みたいな異端が祓魔師になっていいのか?
祓魔師に関しては知識無しだよ?
「それでもやらすんですか?」
「あたりまえです☆」
若干心を読まれた気がしたけど気にしない。
「私はその候補生とやらになれたら祓魔塾に通ってみんなと勉強できるってことですよね」
「頭が悪い名無しさんでも理解できたんですね!よかったです」
「どんだけ頭悪いと思われてる!?」
「まぁ、五千歩譲ってカラスより上ってくらいですかね?」
「五千歩!?譲り過ぎて日本からでちまうわ!……でもまぁ、やるからには早く候補生になって実践的な授業をしてみたいです」
「関心関心☆では私からも直々に手助けさせていただきます。暇があればですけど☆」
「そこは"さっそく"でしょーが!!」
兄上さんと話してると疲れる。 ツッコミが上達するくらいツッコミいれてるし。
いつか祓魔師になるより芸人になってしまったらどーしよぅ?
相方はもちろん兄上さん。
「嫌ですからね☆」
「わおっまたしても心を読まれたゼ☆」
end