憂いが混ざる空の果て
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「キリークねぇ…よくわからないんですけどよろしくお願いします」
『御意に』
千手観音否、キリークが片膝をつき頭を下げる。
見た目がマジな感じに人間みたいだからなんだか悪いことしてるみたいであんまり気乗りしないな。
「名無し端から見たらただの変態ですね」
「えぇ!?」
「よくお似合いです名無しさん☆」
「……」
私が躊躇い心のなかで思ったことをスラリと言ってしまうこの2人…兵だな!
『主様』
「なんですか?」
『呼びたいやつがいるのですが…』
「どーぞ!」
『では…タラーク!!』
キリークが大きな声で叫ぶ。
威圧感があって凛とした声だ。
しばらくするとまた先程と同じように突風が吹く。
学習能力が欠けてる私はまたしても転びそうになった。
しかし転ぶ前にまた手を引かれた。手をひいたのはキリークだった。アマイモンさんだと思っていたので驚愕する。
「あ、ありがとうございます」
『いえ…』
アマイモンさんをチラリと見ると眉間に立派なシワが刻まれていた。
――――ご立腹だ!!
『よばれてタラーク!!ただいま参上って…あ、新しい主様ッスか!?』
『そうだ』
「ども…」
魔法円から出てきたのは兄上さんと同じくらい長身の目が細い男の人。
「で、でかい」
「私と同じくらいですかね☆」
『主様。俺は虚空庫菩薩タラークッス!よろしくッス!』
「よろしくッス!」
あまりにも気さくな方なのでとても馴染みやすい。言っちゃなんだがキリークよりかタラークの方がからみやすそうだ!!
『全力で守るッス!!ちなみに準守護天神ッス!!』
最後にオッスといってニカニカ笑うタラーク。
兄上さんとは違う種類の笑顔だ。胡散臭いよりも断然こっちだ。
「ほう…私がなにか?」
「こ、心を読まないでください!」
ほんとすぐ心読むのやめましょうよ!え?無理?
あ、そう……。
end