憂いが混ざる空の果て
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「この刃のミミズがのたくったみたいなのなんですか?」
『オンッス!!』
「オン?」
『梵字です、私たちの腰にも書いてありますよ?』
「あ、本当だ!!」
「梵字は神を表した文字と言われてるんですよ」
「へぇ…だから一人一人違うんだ」
『オンは宇宙を表しています。この矜羯羅は相手の霊を吸い重たくなると言われています。その霊の重さに比例した強さを兼ね備えています』
「倒せば倒した分強くなると?」
『そうッス!!』
な、なんちゅうナイフ!!あれだけ重いとなると沢山を殺めたことになる。
残酷な魔剣。
『そして矜羯羅は"何をすべきかを問い、その命令通りに動く"と言う意味を持っています。この魔剣は主様の意思を読み強い見方になると思います』
「なにがなんだかさっぱりだけどとにかくすごい魔剣なんですね!」
『そうッス!!矜羯羅童子は不動明王…倶利伽羅につかえた従者の7番目ッス!!矜羯羅の魔剣はその矜羯羅童子の魔剣なんス!!』
「倶利伽羅…ねぇ」
兄上さんの目付きが変わる。
何かを考えた後またあの胡散臭い笑顔に戻る。
「名無しさんぴったりの魔剣ですね☆騎士を目指すんですから!」
「……」
『心配ないッス!!基本は俺達が主様を守るッス!!名前を呼んで貰えたらすぐ駆けつけまッス!!』
『そうです。何かあった時の保険と思って』
「う〜……わかりました。受け取ります」
キリークとタラークは安堵のため息を溢す。
ため息をつきたいのはこっちだよ…はぁー……。
end