憂いが混ざる空の果て

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「燐君凄い…」


「あ?そうか?まだ操れてねーけど…」



燐君は蝋燭に炎をともしている。マジック目の当たりにしておどろいた。

とても綺麗な青い炎だ。



「……怖くねーのかよ?」


「なにが?」


「青い炎…俺魔神の子供なんだぜ?」


「へぇー…そうなんだ」


「そうなんだって……そんだけ!?」


「そんだけだね」



実際魔神かどれ程強力なのかもわからない。

それに私はその青い炎に何かされたわけでもないし、怖いとかよくわからない。



「変わったやつだな」


「燐君のほうが…」


「俺強くなりてぇー塾の奴ら守れるようになりてぇんだ」


「うん」


「この青い炎に頼るのはやだけどよ…使いこなせるようになったらすげぇ力になるんだよ。だから早く使いこなせるようになってあいつらと仲直りしてぇんだよ」


「……燐君は偉いね」


「そうか?」



誰かのために強くなりたいなんて私には無理だな。

自分のことで精一杯だ。他人なんて結局他人でしかないのに。

他人の為なんかに自分を成長させるなんてとんだお人好しだと思う。



「俺が使いこなせるようになったらあいつら驚くかな?」


「そりゃ驚くよ」


「そっか!よしゃー頑張るぞ!!名無しサンキューな!」


「わ、私は何も」



私は何もしてないよ。

強い燐君が眩しく感じた。



――――『守るなんて綺麗事じゃん。自分を守れないやつが友達守れるわけないじゃん』



「っ!?」


「どーした?名無し大丈夫か?」


「へーき…」



何だったのだろう?
あっちにいるときの記憶かな?
頭が割れるようにいたかった。 なんで私はこんなに悔しいんだろう?



「ムカつく…」


「名無し?」


「素振りプラス100じゃぁぁぁ!!」


「名無しっ!?」



パンパンになった腕にムチうって矜羯羅の魔剣を振り回す。




「名無しのやつヤル気満々だな!燐も見習えよ〜」


「うー…うぉりゃぁぁぁ!!」


「な!?」


「り、燐君!?」


「青い炎!?」



燐君が気合いをいれて蝋燭に炎を灯す。

しかし炎は強すぎたのかあたりのマシーンを飲み込む。


マシーンのそばにいた奥村先生、シュラさんの服は燃え下着のみになる。


もちろん名無しも例外ではなく…。



「り、燐君…」


「……何をやってるんだ兄さん」

「や、えっと…すまん…ハッ!でも待てよ!?服は燃えてんのに…中身とパンツは燃えてない!!これってコントロールできてるってことじゃねーの!?」


「そんなわけないだろ…!」



奥村先生マジギレじゃんか。
てか、燐君どこにいくのさ!私たちこんな格好じゃ動けねぇーから!!



「どーしよ〜」



胸にてを宛しゃがみながらゆっくりと移動する名無し。



「にゃ〜名無し可愛下着だな!」


「み、見ないでください!!」


「……」


「ビビリメガネ!!ムッツリ!!」


「うるさいですよシュラさん」



シュラさんはなんでそんなに落ち着いてるの!?

なにか方法はないか…!
あ!



「キリーク!!タラーク誰でもか!出てこいや!!」


「名無し大丈夫かにゃ?」


「名無しさん?」


『主様ただいま…っ主様!?』


『主様ぁぁぁ!!』


「「何だ?」」


「私の使い守護神です!」


『ちょっヤバイっす!!カメラカメラ!』


『タラーク!!』



キリークは自分の羽織っていた着物の上着をかけてくれた。

タラークは鼻血まみれだ。






前途多難だな。
私も燐君も……。










end

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