憂いが混ざる空の果て
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「名無しご飯ですよ…」
「……」
「名無し無視ですか?偉くなりましたね」
「いたたたた!!勉強中労って!」
「ボクを無視するからです。生意気な」
「今行きますから!!」
アマイモンさんめ頭がわれるじゃないか!今勉強した分頭から出ていっちゃう!!
理事長室につけばいい香りがする。読んでいた祓魔師の教科書とノートを閉じる。
兄上さんが先にソファーに座りくつろいでいた。
「おや勉強ねっしんですね?あれほど嫌がっていたのに…」
「早く候補生になりたくて勉強してます」
「関心です☆」
私は空いた腹を満たすようにご飯を食べた。
やっぱり美味しい。
あ、涙でそう。
「知識などを覚えるに当たり時間はどれくらいかかりそうですか?」
「2週間です」
「2週間!?」
あからさまに驚く兄上さん。持っていたフォークを落としている。
何事かとアマイモンさんも兄上さんを見つめる。
しばらく下を向き肩をヒクヒク揺らす兄上さんを私は無視しながらご飯を食べる。
「2週間ですと?」
「はい」
「何と言うかと思えば2週間。傑作ですね☆」
「馬鹿にしないでください。必ず2週間で頭に叩き込みます」
鋭い目で兄上さんを見る。
一瞬めを大きく開き驚いたような顔をする。
アマイモンさんもいつもと雰囲気が違うのが伝わったのか私を見ている。
しかもご飯を食べずに!
「私は有言実行します」
「どういう心変わりで?」
「いや、なんとなく。燐君に感化されたのかな?」
「末の弟にですか?」
「彼が他人の為に強くなりたいと言いました。私は無理ですけど彼ならやってのける気がしました。なんとなく彼の用に強くなりたいと思ったから…」
「ホウ☆」
「……」
あのとき声が聞こえた。
その声が私を代弁したように強くなるのを否定した。
それがなんとなく本当になんとなくだけど悔しかった。
だからその声を驚かせたい一心で強くなりたいなんて。
いったら兄上さん必ずバカにするから言わないけど。
……アマイモンさんからなにかドすいオーラ感じるんですけど?
「……結構☆私も名無しさんの力になれるように全力でサポートさせていただきます☆」
「……」
「もちろんアマイモンも」
「あ、ありがとうございます!!」
アマイモンさんフォーク加えてそっぽ向いてるけど大丈夫かな?
てか、貧乏揺すりやめて!
地面かなり揺れてるから!!
「アマイモン落ち着きなさい」
「すいません」
アマイモンさんはフォークをくわえたまま部屋から出ていってしまった。
おいてかれたベヒモスはオロオロしている。
「困った愚弟だ」
「何かしちゃいましたかね?私…」
「気になさらないでください。愚弟も思うことがあるんですよ」
「そうなんですかね?」
最近アマイモンさんと喋ってなかったからあんまり分からないけど。
なんだか怒ってるには怒ってるんだよなぁ。
私は一つため息をついてご飯を食べるのを再開した。
end