憂いが混ざる空の果て
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「では、名無しさん。始めますか☆」
「え?なにを?」
「何をいまさら…今日でちょうど2週間が立ちました。勉強姿は度々見ているので実戦風景を見せてもらいたいと思いましてね…いやはや楽しみです☆」
「え!?今からですか!」
「はい☆」
なんて鬼畜だ。
いまは正に勉強中なのに。今から実戦を見せろなんて…。
今朝の8時だよ?
「今日の実戦は下級悪魔と戦ってもらいます」
「え!」
「どれだけの力が身に付いたかを私が判断します。そしてそれに見あった候補生認定試験を設けます」
「下級悪魔って?」
「鬼です」
「……」
「大丈夫です。もしもの場合は助けますので…では、いきましょうか!」
そーいうのはね自前に言うもんなんですよ兄上さん。
今言って今ってなんなんですかね?馬鹿にされてますかね私?
一人イライラしていると兄上さんの呪文で一瞬にしてトレーニングルームについた。
「あれ?シャラさんは?」
「別件で今京都に塾生引き連れて遠征中です」
「ずるい!!なんで京都に!?」
「詳しい話はこれが終わり次第話します。因みに彼等は遊びに行ったんじゃないですからね?」
「じゃ、心底どーでもいいや」
「あなた本当に候補生目指してるんですか?」
「一応…」
「はぁー…」
あ、兄上さんのため息はじめて聞いたかも。ため息とかつくんだなんだかウケる。
チラリと兄上さんを見るとカチャカチャとなにかを用意していた。よく見ると聖水とかかれてあるなにかだった。
「聖水は2本まで。表れた鬼を殲滅してくださいね☆」
「簡単にいってくれますね!」
「では、アマイモン」
「はい」
ガシャーンと何かの割れた音がした。
いつのまにかいたアマイモンさんが何かを地面に叩きつけたようだ。
と、同時に異様なまでの悪臭。臭いに鼻を押さえて兄上さんを見た。
「鬼を呼び出してるんですよ!さぁ、早く構えないと大変ですよ?あ、聖水はこちらにありますので☆」
「のわぁぁぁぁ!?」
「名無し煩いです」
「あ、すいません!って言ってる場合か!」
匂いにつられてやってきたのか大量の鬼。
基本下級なのであまり強くないけどサイズがでかくなると中級に入る。
どうか、中級サイズが出てきませんように!!
そう願いながら私は魔剣を取り出して鬼に突っ込むのだった。
end