憂いが混ざる空の果て

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最後の一匹を切り辺りに鬼がいなくなったのを確認すると私はヘタリとその場に座り込んだ。



「エクセレント!いやはや正直ここまでできるとは思ってませんでした☆」


「疲れた…」


「名無しにしては頑張っていたと思います」


「なんですかそれは……」


「言葉通りです」


「それにしてもすごかったです☆2週間でこれだけ身に付くなら祓魔師にすぐなれますね☆……では、名無しさん貴女には今すぐ京都にいってもらい候補生認定試験を受けてもらいます」



やたらファンシーな懐中時計パチンと閉めて兄上さんは私に手を差し出してくれた。

それに甘えて立ち上がる。



「やったー京都!」


「今回は一筋縄じゃいきませんからね?討伐悪魔は上級です」


「兄上…まさか…?」


「えぇそのまさかです☆」


「何々?その意味深なの!!」


「貴女にはじきに復活するであろう不浄王を討伐してもらいます」

「不浄王って…あれれ?私が勉強した中でヤバい悪魔とか思ったやつかな?」


「多分それですね!今確認されてるなかで最も大きな悪魔ですね☆」



兄上さんそのハードルを越えるにはかなりの助走が必要な気がします。


鬼から不浄王。
燐君は天才と同義語だよ?


だいたい1人で討伐できる相手じゃない。



「もちろん貴女1人ではありません。塾生や一流の祓魔師もいます。その中で名無しさんも戦ってもらいたいのです」


「死んじゃいますって」


「名無しさんのそのスピードがあるならなら簡単には死にません。使役の悪魔…守護神7人持ってるじゃないですか?」


「そのうち5人と会ったことないけどね!」


「兄上…確かに名無しじゃ力不足な気がします」


「ひどいっ!!」


「力があるない云々じゃないんですよ。人で不足な今微力でも働いてもらいたいのです☆」



あ、今兄上さんの顔胡散臭い。絶対面白がってる。

でも、これが候補生認定試験ならやらなければいつまでも訓練生のままだ。

強くなると決めたのにそれじゃ意味ない。



「やります」


「では、準備がととのい次第出発しましょう☆」



やるからには全力でやってやる!!

頬を叩いて気合いをいれたらアマイモンさんに変な目で見られたけど気にしない。


目指すは京都、不浄王!







end

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