憂いが混ざる空の果て

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私は汚れていたブラウスを脱いで兄上さんがくれた新しいブラウスに腕を通す。

私が京都に持っていくものなんて全くない。
あるけど魔剣は召喚するし…。

あ、京都に泊まるんだったら荷物いるよね。

大きなカバンを探して荷物を詰め込む。

急げ急げ!!



「できたー!兄上さん行こう!!」

「おや、早いですね。では、アインス☆ツヴァイ☆ドライ!」



兄上さんのマントに捕まる。

ポンと音がしたと思った瞬間そこはもう見たことないところだった。



「兄上さんここどこ…ん…?犬?兄上さーん!!」


「煩いですよ!ついてきなさい」

「犬が喋った!!」


「私ですってば!」


「本当に兄上さん?憎たらしいところは変わりませんね」


「死んでください」


「辛辣!」



私は走るブサ犬もとい兄上さんを追いかける。

回りを見れば木でできた牢屋のようなところ。
なんなんだここは?


しばらく走って見えてきたのは奥村先生とシュラさん。
牢屋には燐君がいた。


どーいう状況なんだろう?



「名無し!なんでいんだ!?」

「名無しさん!?」


「え?あーやー…ははは」


「危険ですので早くもどっ…」


「三人とも今晩和」



ブサ犬からまたあのファンシーな兄上に戻る兄上さん。
ブサ犬のがよかったな〜。



「メフィストお前何のようだ!!」

「なんの用とは随分な言い草ですね。まったく…貴方たちの尻拭いに来たと言うのに」


「え!?」


「てか、なんで名無しまでいんだよ!!」


「彼女は今回候補生認定試験と称して不浄王討伐に当たってもらいます」


「はぁ!?んな、危険なことさせられるかよ!」


「そうですよ!!」



やっぱり危険なんだなこの任務。すごい剣幕で兄上さんに迫ってるし。



「アインス☆ツヴァイ☆ドライ!一番防御の高い牢屋」


「話を聞け!!」



シュラさんが怒鳴るけど兄上さんはピクリとも反応しない。

現れた牢屋は燐君をなかに引きずり込む。

とっさに燐君に手を伸ばしたけど反対の手を兄上さんに引っ張られて燐君の手に触れることはなかった。



「先程ヴァチカン本部から連絡がありましてね。先程禁固術が唱えられた件でグレゴリ以下査問委員会賛成多数により奥村燐の処刑が決定しました」


「はぁっ!?」


「!!!」


「兄上さんまったく理解できない!!なんで燐君が?」



燐君は魔神の落胤ってことは知ってた。けど燐君が処刑対象になるような危険人物なんだろうか?

掴まれている手をブンブン振ったけど兄上さんは答えない。
余裕そうな笑みでウィンクされた。



「雪男大丈夫か…?」


「そんなことより今は不浄王討伐のほうが最優先ですブェアークション☆」


「汚い!放して!兄上さん!」


「汚いって言いました?放しません」



くっそ!!
鼻水飛ばさないで!

クシャミの飛沫って数メートル飛ぶんだよ!

かかってるよ絶対!












end

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