Long story

□NAME 02
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はじめまして、そう言ってみる。



「あれ…ここどこだ?」

目が覚めると、そこは見知らぬ部屋だった。
広い畳の部屋に布団が敷かれてあり、そこに俺は寝ていた。

「…一護、目が覚めたか」
「ルキア…?」

静かに襖を開けて入って来たルキアは俺の側に座った。

「なぁ…ここ…」
「ここは朽木家だ。なかなか目を覚まさぬから連れてきたのだ」
「…どのくらいの間?」

一週間だ、とルキアは言い外を見た。
外には満開の桜。
ひらひらと舞い落ちるそれを見て、なんだか酷く泣きたくなった。

自分は死んだんだ、と感じさせられて。

そして恋次の霊圧を感じて。

「一護、受け取れ」

そう言ったルキアから渡されたのは死覇装。
懐かしい、黒いそれ。

「なんで…」
「護廷十三隊には話を通した」
「…は?」
「兄様が掛け合ってくれたのだ。護廷にも、四十六室にも」
「じゃあ、俺…」
「明日から死神だ」

死神になれる…。
恋次に逢える。


―凄く…うれしい。


あのとき、俺は死神になる術を失って
あのとき、恋次は俺に関する記憶を失った。

逢えなかった…今まで。
ずっと、ずっと逢いたかったのに。

でも今は逢える。
恋次に…逢える。

「そういえば…俺、何番隊なんだ?」
「六番隊だ。六番隊の三席だ」
「ッ…本当か!?」
「あぁ」

恋次の下で働ける。
近くに居られる。

「では私は仕事に戻る。明日からは仕事だからな?」
「おう。わかった」



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