Long story

□NAME 2.5
1ページ/1ページ



誰、なんだ・・・



例の三席が現れて約1ヶ月。

「また、俺の勝ち、ですね」

6番隊稽古場に拍手が起こる。
俺は、こいつを見上げる状態・・・つまり俺は倒れている。

「なんで、お前そんなに強いんだよ」

25戦、全敗。
俺はこいつに勝てない。
なのに階級は俺の方が上。

「・・・偶然ですよ」

偶然なわけがない。
こいつはいつも、こう言葉を濁す。

こいつの正体が、分からない。

隊長も、副隊長も、そのほかの隊員達も、こいつにとても親しげで。
俺だけ、何も知らなくて。
なにかを、忘れている気がして。
でも、思い出そうとすればするほど、それはつかめなくて。
ただ、気持ち悪さが残る。

「阿散井、副隊長・・・?」
「・・・やめろ」
「え?」

失敗した。
明らかに傷ついた顔をしている。

「あ、違うんだ。ただ・・・」
「ただ?」
「敬語、やめろって。恋次でいいし・・・俺より強いんだしな」

するとこいつは目を丸くした。
そして、少し困ったように

「恋、次」

とても小さな声で俺の名前を呼んだ。


next.


-------------
後書き。

恋次語りです。
03書く前に入れておきたかった話です。

09/12/20 ザンギ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ