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□証。
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「ば・・・・爆、睡…。」
学校から疲れて帰って来た後、ひといきつこうと自分の部屋に入って、1発目が・・
いや。良い。良いんだが。
飼ったばかりの子犬あたりが家に帰るなりフローリングをかっちゃかちゃに滑って玄関に迎え入れてくれる、
あんな感じの嬉しさだ。
そう、「疲れふっとぶ」だ。
あれ、俺何言ってんだ。
変態だ。
色んな事を頭に巡らせていたが、とりあえず部屋のドアをそっとしめる。
多少カチャ、と音が鳴って、起きやしないかと慌てて振りかえるが、
相手は爆睡しているようで。
「誰の部屋だよ、ここ・・」
全く。と溜息をつきながらも、カバンを置いて自分のベットでうずくまるようにして眠っている相手に、
冬獅郎に、起こさないように気を付けながら、そっと近付く。
近付けば聞こえてきたのは、小さな寝息。
「やっぱ、子供だよな・・この顔・・。」
犯罪的に無垢で可愛い寝顔に、一護は頭を抱える。
あんまり可愛いので、その白い肌に、そっと手を添え、頬に口付けた。
途端に冬獅郎がぴくんと反応を返して、
大きな翡翠の目を薄く開けた。
「あ、・・悪い、起こしたか?」
手を添えたまま呼びかければ、翡翠の目はゆっくりと一護を捕えて。
「最悪の目覚めだ。」
寝起きの掠れ声で、唸る様に言われたのは、予想外の言葉だった。
「・・はあ?何で。ここ俺のベットですけど。」
「・・何してんだよ、俺の顔に触んな。」
一護の質問に対しては何ひとつ答える事無く、のけ、といわんばかりに片手で一護の手を払う。
しかし一護はなぜかニヤリと笑みを浮かべて、冬獅郎の小さな両手を、がっちりと掴んで、身動きが取れないようにした。
途端に冬獅郎は目を少しだけ見開いて、突然の行動に頭が回らないらしく、ただ一護の顔に目をやるだけ。
「な、・・何・・・・」
「俺ら付き合ってんだから・・それっぽい事しようぜ?」
「はぁ・・?・・なんだよ・・それ・・」
まぁた変態めいた事いいやがる・・と、眉間に皺を寄せて反抗する冬獅郎に、一護は両手を掴む力をさらに強めてニヤリと笑った。
押さえつけられる痛みに、冬獅郎は顔を歪ませて、ついに観念する。
「痛ッ・・・・んだよ!!それっぽいことって!」
冬獅郎はとうとう降参して、嫌々ながらも一護の願いを聞くことにする。
強引ってこの事だ。俺の方が絶対年上なのに。馬鹿だ。馬鹿黒崎だ。
「例えば・・」
いつもより少しだけ低い声を鳴らして、一護は呟いた。
そしてまた嫌らしくニヤリと笑うと、いきなり冬獅郎の首に顔を埋めはじめた。
冬獅郎が一番苦手な耳元で、その答えを吐く。
「キスマークとか。」