REBORN BL BOOK
□kou-kou
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「獄寺君ってオレのこと好きなの?」
二人で歩く帰り道、綱吉はふと気になったことを獄寺に聞いた。
「ええっ、あっはい、もちろんお慕いしております!」
獄寺は突然の問いかけに驚くが、すぐに肯定の返事をする。
「ボスとして?」
「もちろんです」
獄寺は綱吉の質問に頭の中が疑問符で占めつくされている。一方、綱吉は胸にぽっかりと穴があいたような感覚に陥っていた。
「なんだ」
「え?」
常日頃からの獄寺の行き過ぎた行動に、綱吉は獄寺が自分のことを好きなのではないか、という考えに至ったのである。
そこでまた疑問が浮かぶ。獄寺が好きなのは、沢田綱吉である自分自身なのか、それともボンゴレの10代目という肩書きを持った自分なのか。
考えれば考えるほど、綱吉は獄寺のことが気になって仕方なかった。綱吉自身、なぜそこまで気になるのかは分かってないが、深く考えることもなく獄寺に聞いてみたのだ。
そして、がっかりしている自分がいることを自覚する。
「オレが自惚れてただけかあ」
「10代目……それはあの、どういう……?」
「え、だから獄寺君はオレのこと好きなのかなって」
綱吉はそこで更に疑問が浮かんだ。何故、自分は今がっかりしているのだろうか、と。
獄寺は自分にとって友達でしかないのだ。大切ではあるが、もしも獄寺が自分のことを好いていたなら、困るはずではないだろうか。