REBORN DREAM BOOK

□「えっご、ごめんなさい!」
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「付き合わねえ?」

「えっご、ごめんなさい!」

「何でダメか、聞いてもいいか?」

「それはっ、えっと……」

「お前オレのこと嫌いか?」

「えと、嫌いとかそういうんじゃなくて」

「じゃあ付き合えよ」

「えっあ、でも好きじゃなっ」

「そこだけはっきり言うんだな」

「あ、ごっごめんねっ」

「謝んな、惨めだろーが」

「え、ごめ……あ」

「別に好きじゃなくてもいいからオレと付き合えよ」

「な、なんで?」

「その内好きんなる」

「それはないと思う、けど」

「……」

「あの、なんで私?」

「あ?」

「あ、だって獄寺君もてるし、べっ別に私じゃなくてもいいんじゃないかなあ?」

「そんなに嫌か?」

「……」

「黙んなよ」

「……別に嫌とかいうんじゃなくて、ただ」

「ただ?」

「怖い、から」

「オレのことが?」

「う、うん」

「理由、聞いてもいいか?」

「え、だって獄寺君、不良だし」

「……他には?」

「中学生なのにタバコ吸ってるし、よく授業サボるし、先生達にだって態度悪いし、仲良い山本君相手だってよく怒鳴ってるし、あとは……」

「……もういい」

「あっでも、沢田君と居る時の獄寺君はいっつも笑顔で、その時だけは怖くないかも」

「じゃあお前と居る時でも笑顔で居てやるよ」

「え?」

「お前が怖いって言ったこと、オレは直せる気がしないからな。せめてお前があんまりオレのこと怖くなくなるように、笑顔で居てやる」

「え、でも」

「そしたらオレを好きになるかもしんねえだろ?」

「……好きにならなかったら?」

「そん時はそん時だ、潔く諦めてやる」

「……」

「なんだ?」

「なんで私なの?」

「好きだからだろ」

「だからっ」

「お前がオレのこと好きになったら教えてやるよ」

「え?」

「だからさっさとオレのこと好きになっちまえ」





2008/08/11 萱乃弥波


 

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